カテゴリ:●読書
こういったボリュームのある本は、コンテンツを先に頭に入れておくと読むときに楽になる。さらに今回は、上下巻あわせて約1000頁、全11部、全53章なので、自分で読みやすいように区切り、5回に分けて読むことにした。この本を買った人の中には、前半のアメリカ政界のインタビューを元に書かれたページの連続で飽きてしまい、または本の重さに腕が疲れて肩が凝ってしまい、読むのをやめてしまった人もいるかもしれない。自分も上巻前半のページは、多くの人名が書かれていて頭の中で内容をまとめるのがけっこう苦痛であった。そこを読み終われば、あとはこの本のおもしろさに気づき、印象に残った本に加えたくなるはずだ。 さて、第六部は仁川上陸作戦(クロマイト作戦)から始まる。仁川港へ向かう艦隊を想像しながら読んでいたが、いつのまにか上陸してしまい、いきなりソウルでの市街戦となった。ところが戦闘の様子はさらっと書いているだけで、やはりここでも主役はマッカーサーと仕官のエピソードが語られている。上陸時の詳細を知りたいと思っていたが、予想にはずれてちょっと期待はずれだった。 第七部は、とてもおもしろい。共産三兄弟のスターリン、毛沢東、金日成のことが書かれていて、そのかけ引き、思惑がおもしろい。それぞれ共産主義者だが、プロレタリアート系で世界革命を掲げるスターリン、農業国中国にマルクス主義を取り入れた農民系の毛沢東、なんだかよくわからなく共産主義圏には入っている無茶苦茶な金日成の事が描かれている。そして、朝鮮戦争で中国義勇軍(実は中国人民解放軍)の指揮官だった彭徳懐。中国共産党嫌いな自分でさえも英雄だなと思える軍人。 アメリカ側は、トルーマン大統領とますます君主ぽくなったマッカーサーのかけ引き、それにマッカーサーの取りまき連中の中心人物ウィロビーのことが生い立ちから書かれている。読んでいてウィロビーは僕が一番興味を持った人物で、スペインのフランコを崇拝しているというのが気になるところ。この狐のようなウィロビーと獅子・君主マッカーサーの決定で、現地の指揮官の報告「中国軍参戦の可能性が大きい」事を無視し、三十八度線を越え中国人民解放軍との戦闘にいよいよ突入する。 上巻目次(続き) 第六部 マッカーサーが流れをかえる 仁川上陸 第19章 統合参謀本部を出し抜く 第20章 仁川上陸作戦 (地図9:1950年9月15日 仁川上陸) (地図10:1950年9月16日 ソウルへの進撃) 第21章 蒋介石という難題 第七部 三十八度線の北へ 第22章 三十八度線を越えるべきか 第23章 毛沢東、参戦を決断 (地図11:9月15日─10月26日 国連軍の強行突破と北朝鮮への侵攻) 下巻目次 第七部 三十八度線の北へ(承前) 第24章 スターリンと毛沢東のポーカーゲーム 第25章 忠臣ウィロビー 第26章 国内政治が戦場を支配する お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 6, 2010 10:44:32 AM
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