ニコニコ生放送で、コミック・スタジオというマンガ制作ソフトで美しい線画を描いている女性の放送主がいる。コミック・スタジオは、僕が仕事で普段使っているイラストレーターとフォトショップを掛け合わせたようなソフトだ。その放送主が、描いているのが「ヘタリア」というマンガの登場人物をオマージュにしたイラスト。最初は、デリケートな線に魅せられて見ていただけだが、そのうち「ヘタリア」というマンガに興味を引かれた。放送では、放送主とリスナーの会話も楽しく、各国の自慢や歴史が話題になることもあり、次第に気になってきたマンガだった。そして、ちょうど渡部さんの日本の歴史を全巻読み終わり、日本人のアイデンティティを再認識していたので「ヘタリア」というマンガに興味を持ったのだった。まず、1巻を恥ずかしながら購入し、読んでみると面白い。続けて2、3巻も買いに行き読んでしまったのでした。第3巻の帯封には「シリーズ累計140万部突破!」となっていて、人気のあるマンガだということがわかる。内容は、各国をかわいいキャラで擬人化したパロディ・マンガ。ところがなかなか大したもので、各国の歴史や政治、アイデンティティが面白く描かれている。当然、日本も登場していて枢軸国(日本、ドイツ、イタリア)の一人。日本の性格は、物静かで真面目な東洋の武士の国。特技は空気を読むことと遠慮すること。島国のせいかちょっと不思議な文化と考え方を持っている。四季をひたすら楽しむ。といったもの。擬人化された各国キャラの服装は軍服で、日本のキャラは帝国海軍風の白い制服を着ているのも魅力。最初は、ただの程度の低いパロディ物かと思っていたが、先日読んだ「海の翼」の題材となったトルコ海軍艦エルトゥールル号のことなども書かれていて、作者はいろいろと勉強していることがわかる。自分が小学生の頃、学校の図書室でマンガ版の日本史や世界史を読んだから歴史が好きになったようなもの。このマンガで日本史や世界史に興味を持ち、自分の生まれた日本という島国が好きになる若者が増えたら良いですね。