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2024.10.20
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カテゴリ:現代史


 テロ国家ロシアと北朝鮮ならず者集団との結びつきは、ウクライナ侵略戦争の激化でついに一線を越えた。

​◎韓国情報機関が衛星画像でロシアに派兵される北朝鮮軍をキャッチ​
 韓国の情報機関の国家情報院は18日、北朝鮮ならず者集団の軍特殊部隊1500人あまりがロシア領内のロシア軍部隊に駐屯していると発表した。極東に駐屯するが、ここでロシアの軍服に着替え、偽造身分証の支給を受け、ロシア軍に偽装したうえ、西のウクライナ戦線に投入されるとみられる。もう、最前線に出ているかもしれない。
 というのも、国情院がロシア海軍の艦艇が北朝鮮軍部隊を極東のヴラジーヴォストークへ輸送するのを衛星で捉えたのは8日~13日だったからだ。
 国情院によると、派兵規模はさらに増やされ、総勢1万2000人にも達するという。北朝鮮軍の総兵力は128万人だからその1%に当たり、1個師団相当になる。
 むろんこれは、国連安保理の制裁決議を大きく逸脱する違反である。しかしその安保理の常任理事国に侵略者のロシアがいるから、安保理は止めることも、制裁もできない。
 国際正義は、さらに蹂躙度を増した。

​◎ウクライナ戦線で北朝鮮軍士官6人の死体​
​ 従来からロシアと北朝鮮の協力は、ロシアが北朝鮮から砲弾やミサイル、ドローンなどの兵器を北朝鮮から輸入し(写真=北朝鮮北東部の羅津港を出港するロシア船舶。北朝鮮製の武器が積まれていた)、ロシアは見返りに石油やコムギなどと共にミサイル技術の提供だと考えられていた。


 だが、テロ国家ロシアは、北朝鮮から軍兵員まで「輸入」するようになったのだ。
 前記のウクライナ侵略戦争へ北朝鮮軍の派兵に関しては、4日にウクライナの英字紙キーウ・ポストがロシア侵略軍占領地のドネツク州で前日3日に行われたウクライナ防衛軍のミサイル攻撃で北朝鮮軍士官6人他20人が死亡したとする報道があった。死亡した北朝鮮軍士官は、派兵の前の戦場で状況を視察していたのだろう。

​◎外観は極東のブリヤート人と変わらぬ北朝鮮軍兵士​
 それに後続して、ウクライナ当局と同地メディアは、ロシア侵略軍が北朝鮮人による特別部隊を編成していると報じていた。部隊の名称は「特別ブリヤート大隊」で、3000人がロシア西部クルスク州の一部を占領するウクライナ軍との戦闘に加わる。「ブリヤート」はモンゴルに近いロシア極東の民族で外観は北朝鮮人とあまり変わらない。戦場に投入し戦死しても、前記のようにロシア軍に偽装していれば、ロシアも北朝鮮も知らぬ顔で通せる。
 だが同じ報道では、部隊に配属された北朝鮮人18人が既に脱走したともいう。
 北朝鮮軍のロシアへの派兵に際しては、当然、北朝鮮側に多額のカネが払われたはずだ。カネで雇われた北朝鮮の「外国人傭兵」なら、士気も低く、機会があれば脱走を試みるだろう。

​◎大量の戦死傷者に深刻な兵員不足のロシア​
 これら一連の事態の背景には、ロシア侵略軍の深刻な兵員不足があるのだろう。
​ 去る9月、プーチンは、侵略開始以来3度目のロシア軍の増員、18万人の兵力増強を決めた(写真=戦勝記念日にモスクワ赤の広場で行進するロシア軍兵士)。それでも犠牲を厭わぬ無茶な作戦で、大量の死傷者の補充に追われていることが推定される。挙げ句に北朝鮮から傭兵も入れる事態となった。​



 これは、むろんこれは北朝鮮にも利益になる。兵員1人当たりいくらになるか不明だが、まとまったカネが北朝鮮に支払われるからだ。それは、核開発と金正恩一族の贅沢品購入に充当される(写真=北朝鮮人民軍兵士たちと金正恩)。


 さらに北朝鮮軍にとって、実戦で武器の性能を確かめられ、兵士の練度を高める利点もある。軍事境界線で敵対する韓国軍にとって、穏やかならない事態である。

​◎1万2000人に留まるか分からない​
​ 北朝鮮は、どのような部隊を派兵しているかは分からない。しかし餓死者も出るほどという劣悪な北朝鮮人民軍の内情からすれば、少なくとも腹いっぱい飯が食えるかもしれない「外国人傭兵」になるのは魅力的かもしれない(写真=空きっ腹を抱える北朝鮮人民軍の女性兵士)。


 もっとも、飯が食えるというだけではるばるヨーロッパロシアまで移送された北朝鮮兵士たちの士気は低レベルに違いない。早々に脱走兵士が出るのも当然だろう。
 韓国国情院の推定する1万2000人の派兵で収まるかどうかも分からない。派兵された「特別ブリヤート大隊」に激しい損耗が出れば、プーチンの要請に従い金正恩はさらに増派を行うだろう。その度に、金正恩の懐にどっさりと現金が転がり込むのだ。
 何が何やら分からないままカネで売られた北朝鮮軍兵士は哀れである。

​◎傭兵は西側から北朝鮮へ流れる風穴になる?​
 だが傭兵部隊が多くなればなるほど、北朝鮮人兵士の死傷者と捕虜は増える。捕虜たちは、そこで初めて西側の空気に触れる。彼らは、金正恩一派から吹き込まれた宣伝と全く異なる世界を知り、それはやがて北朝鮮国内にも伝わるに違いない。法で韓国からの歌舞音曲・映画を厳禁していても、さらに西から風穴が開くことになるだろう。

昨年の今日の日記:「スターリニスト中国によるグローバルサウス諸国収奪の道具『一帯一路』にはや秋風」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202310200000/​






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Last updated  2024.10.20 06:05:16



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