カテゴリ:カルチャー
昼休みには、ムクッと起きだす、熟睡Sさん。
Sさんに誘われ、昼食に出かける日が続く。 皆に無視をされているのかと思えば、昼休みには、皆が声を掛けていくのだが。 昼食を共にするにつれ、だんだんとSさんの輪郭がはっきり浮かんでくる。 嘘つきであること、自分の都合にあわせ解釈することだ。 思い切って、こう切り出した。 「Sさん、長期休暇をお願いして、休養したらどう?」 「とんでもない。この会社は休暇なんてもらえないんだから」 そして、こう続く。 「私がいなければ、仕事はまわらない。それに、皆が私のことをいなければ困るって。優しいし、楽しいし、心遣いが上手い人はそういないって。」 「そうだよね。」(私は何を云っているんだ・・・) 次に続くのは、 「大手のD企業から、引き抜きがかかっている」 連日、同じ話の繰り返しである。 このT・Kも、少々弱っていく。 ある日 「私、労働基準監督署へ訴えたの。」 (えっ!あなたのような勤務ぶりで、訴えた?) 「それは、いつ?」 「昨日の夕方」 「どこから?」 「会社のFAXで」 労働基準法違反申告書は、申告者・違反の疑いのある会社名・労働基準法に違反している事実・求める処分の内容・添付書類(タイムカード、会話を記録したメモ、給与明細、就業規則、内容証明の謄本等)を記載する。 「申告書を書いたの?」 「匿名で、会社名と内容だけ」 「それなら、訴えたことにはならないよ」 「でも、そこまででいいって」 「誰が?」 「N次長。あっ・・・」 T・Kは、後になって、彼女は、わざと漏らしたのではないかと考えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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