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May 20, 2006
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カテゴリ:キャリアデザイン
Z課長の声の大きさが気になりだしたのは、最近のことではない。
Z課長は転職組で、40代前半に途中入社。現在は50を迎えようとしている。

ここは、地元中小企業のなかで「優良企業」としての評判があり、大学生の企業訪問もさかんである。

高卒は、現場「工場勤務」が多く、短大卒は「事務系」、大卒は営業である。
問題のあるデザイン系の部署は、上司は大卒、スタッフは専門学校卒が多い。

勤務している社員のなかで転職組みは珍しくないが、よほどの実績を上げない限り、「仲間意識」が希薄なのである。「もともとの社員」に対して「転職組みの社員」は、何年過してもどこか控えめである。

Z課長は、勤めていた大手企業の倒産が噂される中、ここから引き抜きの声がかかっての入社らしい。大手の誇りと実績がある彼氏。

ところが、いままで部下に任せていた仕事も自分でこなさなければならない。

大手はひとつの仕事を細分化し分担された仕事の一部が職務であるが、全体を職務遂行する中小の社員。

よく、企業風土、企業文化を知るというでしょう。企業によって、集まる人間の種類と評価、システムが違うということ。大手の情報ラインやシステムの設備、人員配置は中小とは異なる。そんな環境の差があって、同じ仕事ぶりを要求するのもおかしな話。

でもね、そんなことだけが理由じゃないよ。
自分と協力して仕事をしていく仲間、部下の種類とシステムの違い。つまり、自分が「お願い」できる相手がいないということだ。

Z課長の声の大きさは、自分の存在を自分で確認することだった。
そして「ひとり言」は、周囲に対しての「お願い=助け」だったわけである。

「お願い」とは何か。
仕事を補佐、補助してくれる「お手伝い」の役割である。自分のアイディアや計画を聞いてくれる誰かが一人もいない。

さて、日増しにつのるモラル・ハラスメントは、大きな声、ひとりごとから、Z課長が取引先とのコミュニケーションを悪化させることになっていく。

つまり「いいたいこと」がいえない職場での彼は、取引先に対して「いいたいこと」ばかりを発言するようになる。そして取引先とトラブルを引き起こすことになる。





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Last updated  May 20, 2006 10:31:54 AM
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