あなた わたし そして
……あなたは。私のことを、どうしてこんなに側においてくれるの。最初はきっと、ただ、『刺激が欲しかった』んだと思う。それは、あなたもはっきり口にしていたことだから。でも既に、『刺激を求める』時期を越えてしまった今、私は時々、去るべきなんじゃないかと考えていたんです。お互いにとって、その方がしあわせなんじゃないかって。けれど、あなたの中で、何かが変わっていっていて、何がそう変えたのかは分からないけれど、今までも、これからも、側においてくれようとしていることが判った。あなたは、最近、ちゃんと意思表示をするようになった。前はごまかしてばかりだったこと。曖昧だったこと。言葉を濁していたこと。言葉を飲み込んでいたこと。少しずつ、その回数が減ってる。嫌なことを『イヤだ』と言葉にして言うようになった。不快なことは、表情に出すようになった。よく笑うようになった。小さなこと。些細なことが、とっても嬉しかった。だからこそ、あなたが、由理子さんを気にする様を垣間見るのが、苦しかった。誰かを好きになると、何気ないことまで嬉しくなったり、小さなことでたやすく傷ついたりする。言わなきゃ解かんないんだよね?あなたは、由理子さんに対して、言葉にせずに飲み込んできたことが、いっぱいあったかもしれない。干渉しないって言ってたね。それはきっと、あなたがいろんなもの抑えて、りぃちゃんとたっくんのために我慢してきた証なんだと思うよ。だけど、私は由理子さんじゃない。だから、いっぱい、いっぱい、思ったこと、口に、態度に、出してほしい。いいじゃんケンカになったって。頭に来たっていいじゃん。どうせ、ばーって感情出したら忘れちゃう。そしてまた、相手の思ってることがちゃんと解かるじゃない。だからお願い。どんなことでも、嘘はいらないから。曖昧はいらないから。言いにくいことだっていいから。私は、そんなことで壊れるようなつながりを作ってきたわけじゃないから。そして、あなたもそうだと思ってくれてると信じてるから。きっとこれから、たくさん、乗り越えていかなきゃいけないことがあると思う。あなたが言っていた『最悪の事態』だって考えなきゃいけないよね。そして、それは、もの凄くパワーがいること。ストレスもたまる。でも、一緒に頑張ろう?あなたは、こう言った。『自分のために、そんな大変な思いしていいの? 他の人のところに行けば、すんなりしあわせになれるんだよ?』『私はそれでもいい。あなたが心からそう言うなら、私が去ればいいこと。 それでいいのかな?だったらそうする……』ちゃんと、言ってくれた。『嫌だ』ちゃんと、意思表示してくれた。だったら、いくらだって頑張っちゃうよいいじゃん、一緒に乗り越えてこ?ふたりなら、苦労もつらさも2分の1。そうでしょ?そしたら、あなたひとりで苦しまなくて済む。いいよ、どこへだって出てくよ。私はちゃんと、自分の気持ちを正直に言うだけだから。そのときが来たら、そのとき考えれば、きっとそのときにベストな考えが浮かぶから、ちゃんと大丈夫だよ。ね?