りるっち、カナダで暮らす

ニューカレドニアに住んでいた頃、義父母が旦那あてに郵便で定期的に送ってきたものがある。　

中身は、たいていいつも同じ、、キッチンタオル、ナプキンセット（12枚）ベット周り一式、（シーツ、布団カバー、枕カバー）そしてタッパーウエア。リネン関係のものは、そんなにしょっちゅう送られてきても、汚くなるわけでなし、磨り減るわけでもなく、たまっていく一方だった。収納場所のないあたし達は、結局送られてきたものを古い順から蚤の市でよく売った。。（これは義父母には内緒）

そしてタッパーウエア。。　これもどこでも買えるのに、何で毎回かさばるものをわざわざ、郵便で、郵送料も高いのに、送ってくるんだろうと不思議に思っていた。

フランスに来て謎が解けた。

月に1回、多い時は2回ほど、ポストに招待状が入ってくる。
「何月何日、何時より、タッパーウエアのミーティングがあります。　　　マダム○○○の家にて．．．。」

タッパーウエアの販売訪問のお知らせである。　タッパーウエアの会社の販売者がミーティングの取りまとめの人の家に来る。取りまとめの人はできるだけ友達を呼ぶ。ゲストの人数、販売利益、などで取りまとめ人はポイントをゲット、そのポイントにより、タッパーウエアから素敵な（らしい）ギフトがあたるそうな。　ゲストの人は参加するだけでタッパーウエア会社から参加品としてタッパーウエアがもらえる。　表向きは、決して購入強制ではない　ミーティング。
でも買わずに帰らざるおえない状態にあるらしい。なぜなら、取りまとめ人の役目、はどうやら順番でやるらしく、自分の番になった時にゲストに買ってもらわないといけないから。

たかがタッパーウエア、されどタッパーウエア、大体２000円以上ぐらいのものからカタログには掲載されている。
「タッパーウエアは高いけれど、一生使えるし、破損したら、取り替えてもらえるのよ。もってて損はないわよ。」　というのが彼らの口癖。　
義母の家には高さ2メートル、幅50センチぐらいの収納たんすがあるのだが、なんとそれにぎっしりタッパーウエアが詰まっている。
ミーティングに毎回出ていて、行く度に購入してたらこうなった。。らしい。

　恐るべしタッパーウエアミーティング。

しかしこのタッパーウエアミーティングは、どうやら主婦友達の情報交換の場でもあるらしい。　タッパーウエアを使った料理を見せてくれたり、ゲストの用意した茶菓子を食べながら、色々話をしたり。
義母と義妹は喜んでそのミーティングに出席している。　実はこのような訪問販売がいまだに田舎のほうでは盛んにおこなわれているらしい。ランジェリーミーティングだとか、化粧品だとか。。
田舎に住む女達の社交場の一種なのかもしれない。

義母の友人は気を使ってあたしにも招待状を送ってきてくれる。
が、なぜか毎回予定がある日に限ってミーティングがあるのでまだ参加したことはない。　収納棚もいっぱいになってきて、置き場所に困る義母は最近はあたし達のために無理に購入する。　あたしだって、「これ以上タッパーウエアが増えても置き場所がなくて困るんだけど、、　」
というのだが、

「タッパーウエアは高いけれど、一生使えるし、破損したら、取り替えてもらえるのよ。持ってて損はないわよ。」

らしいｘｘｘ