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林艮酔記 

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2006年04月05日
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カテゴリ:ブルゴーニュ
 「一澤帆布」が揺れている。

 昔,中学生が肩からかけていた「ズック」のかばん―それを若干モダンにした印象の,ちょいとしゃれたかばんをつくる京都の工房が,「相続争い」でもめているらしい。
 ここ20年ほど,三男が先代を継いで社長をしてきたところ,先代の死後,長男と四男が会社の株式の相続を主張,三男が裁判で無効を訴えたが敗訴,代表取締役を「解任」され,追放されたそうな。
 内輪の事情はわからないが,従業員全員が三男についていって新会社を立ち上げ,長男の引き継いだ会社は休業状態というのだから,どちらに理があるかは一目瞭然。

 一時期,「会社は株主様のため以外の何ものでもない」とおっしゃっていた輩がのさばっていらっしゃった。株主総会でそう言った舌の根もかわかぬうち「世界をとるぞ~」と叫んで逮捕され,その後どうしていらっしゃるのか…まだ小菅の拘置所にいらっしゃるのだろうか。

 株主は,金さえもっていれば誰でもいい。個性など無関係。客である買い手もそれに準ずる(すくなくとも一澤の客の一人である私は,「よいもの」だと思えばすぐに浮気する)。
 それにひきかえ,従業員はそうはいかない―ということを,元銀行員の長男氏が思い知ったかどうか。

【飲んだもの】
 フィリップ・ルクレール,ブルゴーニュ,レ・ボン・バトン1999
 「ごつい」ワインをつくる人として有名だが,実は和食によく合う。生姜醤油にはとくに。

【読んだもの】
 福井晴敏「オペレーション・ローズダスト」ようやく読了。
 久々に読みごたえあり。





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Last updated  2006年04月06日 03時44分39秒
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