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テーマ:山登りは楽しい(12262)
カテゴリ:山,あるいはGRD@山
唯一最大の懸案が,奥穂と西穂の間だった。 以前はヤマケイ「アルペンガイド」の天狗の頭の逆層のスラブの写真にビビり, ここは決してトーシロが近づいてはならん場所, きっときちんとしたパーティを組んで,ちゃんとザイルで確保しないと歩けないんだ… と思い込んでいた。 けれどインターネットが普及して,歩いた人の経験談を知ることができるようになり, もしかしたら行けるかも,と思うようになった。 そこで,3年前の8月,去年の8月,そして今年の7月と,3度チャレンジ。 だがいずれも雨で撤退。 そして今年の8月15日,やっと天候に恵まれたのである。 ---------- 奥穂からだと西穂がどん詰まりでつまらないから,時間はかかるが敢えて逆コース。 しかもテント山行で荷が重い。 …この辺が,そもそも無謀に近いんだけど。 3時起床,4時半出発の予定だったが, その前々夜,夜行の車掌に安眠を妨害され, (甲府を出たところで長々とアナウンスする車掌は前代未聞!) さらに前夜は,隣のテントのラジオに安眠を妨害され, (そんなに聞きたきゃ家で聞いてろ!) 起きたら4時。 寝ぼけマナコで飯を済ませ,テントを撤収して,出発6時。 この時点で,すでに1時間半のビハインド。 だがまあ,4時ごろには着くだろ,と軽く考えていた。 ところが,相棒がいまいち不調らしく, 西穂までの道のりで意外に手間取って,西穂山頂9時。…2時間のビハインド。 早くも奥穂から縦走してきたおじさんたち4名に出会う。 やばいんじゃない? でもまあ,日暮れまでには着くだろ。 そこから先は,次から次へと続く難所のクリアが面白く,時間を忘れる。 …忘れている間は幸福だった。 ところが,あっというまに3時になり,4時になり… あせるわ疲れるわで,冷や汗タラタラ。 しかも,天狗岳あたりだったか,岩と岩の間に花束が… え?ここで誰かが… とたんに頭痛がして,腹の具合も悪くなり…(つれて来ちゃったか?) しかもこの先に,ロバの耳と馬の背の難所が… 疲れている上に暗くなったりしたら,一巻の終わり。 やばい。とにかく急げ… ほうほうの呈で奥穂の山頂に着いたのは,午後6時。 かろうじて,日暮れを眺めながら奥穂を下ることができたのだった。 あー,疲れた。 ---------- ほんとにやばいと思ったのは, ロバの耳の途中,ホールドのほとんどない岩と, 天狗のコルに下る途中,赤いペンキで「キケン」と大きく書かれた岩。 (脅さないでくださいよォ…) 早出で余裕をもって慎重に歩けば,岩が濡れていないかぎり,大丈夫。 もちろん,岩の登り降りはできなきゃダメですけど。 あと,ちゃんと睡眠を確保して,万全の体力で。 ちなみに天狗の頭の逆層のスラブは,10分くらいで難なく通過した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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