林艮酔記　

今までボージョレ・ヌーヴォーを買ったことはなかった。
もともとガメは得意でないし，
若いワインもどちらかというと苦手だから，
あえて買おうと思ったことはなかったのである。
まあ，毎年どっかで飲めるし…

だが，
東急百貨店で，見てしまったのである。

ショーケースに，地味なハーフボトルがある。
よく見ると，ジョセフ・ドルーアンと書いてある。
ところが売り場には，フルボトルしかない。
他の店でも，ドルーアンのヌーヴォーのハーフは見かけない。

もともと，なぜかハーフは好きである。
おまけにあまり見かけないものとなると，がぜん興味がそそられる。

で，売り場のおばさまに訊いてみた。
するとおばさま，カウンターの下から商品を取り出す前に曰く，
「ご自宅用ですか？」
「あ，はい」
商品を出す前に，なぜ訊く？
それに，なぜ隠してある？

「実は，これなんですけど…」
といって取り出したのが，これ。



液もれもないし，
ラベルが破れているわけでも，はがれているわけでもない…
「？？？」

「いえね，逆さなんですよ，ラベルが」



思わず声を出して笑ってしまい，即，買ってしまった。

これが切手なら，高値がつくんだろうけど。

「逆さのジェニー」…すごい値段がついてるらしい

さて，逆さのドルーアン，飲むべきか否か…

（タイトルは，右から読んで下されたし）