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林艮酔記 

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2007年09月19日
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カテゴリ:山,あるいはGRD@山
ここ10年ほど,北アルプス(と八ヶ岳)ばかり行っていた。
南も気になってはいたのだが,いかんせん交通事情がよくない。

とくに広河原から甲府へ帰るバスは,7月半ばから8月20日ごろまでを外すと,
平日は実質的に1日2本…12:25と16:00
(ハイシーズンの日祭日でも3本だけど…12:00と13:25と16:00…まあ,多少はマシ)

かといって,ハイシーズンや日祭日は,混むこと必定。
混むのは大嫌い。

おまけに周辺の小屋のほとんどは,予約必須となってしまっている。
となれば行きあたりばったりでは到底いけない。
「計画性」という言葉は,私から最も遠いところにある。

そういうわけで,甲斐駒と仙丈は,ずっと行きそびれていた。
だが今回,勇を鼓して,長年の懸案の克服に向かったのである。

  ◇  ◇  ◇

9月16日(日)。
予測できない天気図とのニラメッコをあきらめ,
「とりあえず行ってみないとわからん」てんで,
甲府駅南口9:00発広河原行きのバスに乗る。

途中,夜叉神での10分の休憩を経て,11:10ごろ広河原着。
思いの外,晴れていた。




1時間ほど時間をつぶし,12:20発のバスで北沢峠へ。
ちょうどバスに乗るころ,雨が降り出したが,途中で止んだ。ラッキー♪
バスを降り,戸台方面へ少し歩く。




車道を左へ外れ,大平山荘を経て,藪沢を登る。
初めは沢の右岸のシラビソ林を行く。




途中からジグザグを切りつつ斜上。
するとこんな看板が。



そーっとのぞいて見てみたら,左に滝がちらりと…
要するに滝を高巻いたわけね。

少々下って藪沢へ出たら,左岸へ渡り,沢沿いを登る。
この辺りから,雨になる。

途中,ミヤマトリカブト,ミヤマコゴメグサ,ミヤマアキノキリンソウなどが,
まだ花を咲かせていたけれど,
雨のためカメラを取り出すこともできず,ひたすら登る。

北沢峠から2時間半ほどで,予約していた馬の背ヒュッテに到着。
夕食のミヤマカツカレーを食べて,さっさと床に就く。

  ◇  ◇  ◇

夕方,いったん止んだ雨は,夜になってまた本降りに。
だが,いつの間にやら再び止んで,朝。

10分ほどで馬の背へ。




行く手,藪沢カールに,
新築間もない仙丈小屋(旧避難小屋)が見える。
仙丈ケ岳山頂は,ガスにかすんでいる。
けれど,そのガスも吹き飛ばすほどの南風が吹いている。




左には,甲斐駒。その向こうに,八ヶ岳。




仙丈小屋を過ぎた頃,ガスは飛ばされ,目の前に山頂。




ところがここで,風とともに雲が襲来。




雲はさらに甲斐駒めざして,龍のように走ってゆく。




わずか5分の間に,空はかき曇り,
山頂に着いたときには,まわりは真っ白。
あとは曇った眼鏡を拭きつつ,
ひたすら下るしかなかったのであった。



(つづく)





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Last updated  2007年09月20日 03時55分03秒
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