澁澤龍彦回顧展
神奈川近代文学館に行ってきました。 来週で終わってしまう「澁澤龍彦回顧展」を覘きたかったのです。 場所は港が見える丘公園の中、この間行った大仏次郎記念館のお隣。 ここもあるのは知っていましたが、入ったのは初めてです。 亡くなったのは1987年、もう21年も経つのですね。 初めて読んだのは、高校の図書室にあった『幻想の画廊から』という本。 とてもワクワクしました。 そこはかとなく漂う魅惑的な「毒」のような「香辛料」のような「何か」も既に感じていた 気がします。 何度も何度も繰り返して読みました。 その後は少しずつ自分で買い、いつの間にかかなりの本を買ってしまいました。 別のきっかけで人形にもハマっていたのですが、人形学校に通い始め、結局10数年 も通ってしまいました。 氏と親しかった師匠の人形も今回展示されていました。 5月5日に講演会もあったみたい。 私達がすぐお隣の大仏次郎記念館に来た日です。 この日にお隣まで足を延ばしていたら、お久しぶりにお会いできたかも…。 今日は雨が降ったり止んだり…。 もう6月に近いというのに、寒くて上着なしでは歩けません。 もう少しお天気がよかったら、お庭を散策してみてもよかったのですが…。 こんな一重のバラがあちらこちらに沢山咲いていました。 回顧展会場のショップでこんな本を買いました。澁澤龍彦氏の奥様のエッセイです。 ほとんど毎日、本屋さんチェックしているのに、売っているのは見たことがなかったです。 氏が書いたエッセイ以外のプライベートをほとんど知らなかったもので、長年一緒に暮 らした奥様が綴るいろいろなエピソードはとても興味深いです。 「おれほど明るく竹を割ったような人間はいない」と自ら言い切り、実際そのとおりだっ たそうです。 異端を愛する氏のイメージとは大違いの、ほほ笑ましいエピソードが沢山出てきます。 まるでサロンのような澁澤邸は来客大歓迎で、入れ替わり立ち代わりの訪問者があり、 奥様手づくりの料理で宴会が開かれ、何日も泊まっていく人まで…。 でも、全然迷惑がってないの。 訪れる人たちにとって、つい長居したくなる、さぞ居心地のよいお宅だったんだろうと 思いました。 澁澤龍彦との日々