岩手・三陸の旅(3日目)
宮古市内に一泊し、3日目は田老地区へ。宮古観光協会が開催している「学ぶ防災」に参加しました。ガイドさんが体験談を交えながら、現地を案内してくれるのです。現地だと、どれだけの大きな津波だったかリアルに身体で感じて、滅茶苦茶怖い…。頂いた資料田老地区は、3.11で、波高16m、遡上高30m近い津波が襲った地域です。何度も津波に襲われたこの町は、昭和8年の津波で千人近い犠牲が出た後に着工し昭和33年に完成した第一防潮堤、昭和41年完成の第二防潮堤、昭和54年完成の第三防潮堤を備え、山に向かう避難道路も整備され、「津波防災の町宣言」を表明する、どこよりも津波への備えが整った自慢の町。それでも、町は壊滅的な被害を受け、200名近い犠牲者が出ました。それはなぜなのか?「万里の長城」とも称される第一防潮堤 下には水門それは、過信してすぐ逃げようと思わなかった人達が結構いたからだそうです。3.11の地震の後、津波が町に到達するまで3~40分、その気があれば全員避難できる時間はあったはずだと…。たぶん私はこのタイプのような気がします…。( ̄∇ ̄;) 日本一の堤防が町を守ってるし、近所の人たちも別に避難していないみたい。津波が来ても、まさかここまではね…避難道はそこだし、すぐ逃げられる。今まで、堤防を越えるような大津波は、一度も来たことがないんだから。だから今度もきっと大丈夫…と。でも、今度の津波は、スーパー堤防の倍近い高さで、らくらく乗り越えて来てしまった…。そして悪い夢でも見てるような、この世のものと思われない光景が目の前に…。想像するだけでも、本当にゾッとします。体験談によると、津波に巻き込まれるとね、洗濯機に放り込まれたみたいなんだって。すごい力でグルグル振り回されるから、何かに掴まっているだけでもひどく腕を痛めちゃうんだそうな。 第一防潮堤の上から 今は何もない造成地みたいだけど、街があったのです↑ 奥の建物は「震災遺構」となった「たろう観光ホテル」 手前のコンクリートは、津波で破壊された第二防潮堤の橋脚あと、女性にありがちなのが、せっかく避難所に着いても、時間に余裕があると、「ちゃんと家のカギ掛けたっけ?」とか「出かけた家族が家に戻っているかも」とかいろいろ気になりだし、家の様子を見に行って、戻らなかった方も多数いるとか…。まさか、こんなことになるとは、思わないものね…。いろいろ教訓を頂きました。3.11直後は、防災意識が高まっていましたが、のど元過ぎれば…。家が海の近くでなくても、仕事や用事で、海の近くに行くことは多いので、気を付けないと…。田老でも、地元の方でない方が何人も犠牲になったそうな。営業マンとか、ヤク○トの人とか…。強い地震に会ったら、とにかく海から離れる、遠くよりも高いところへ。周りが誰も逃げていなくても、自分から真っ先に逃げること。誰かが逃げると、人はつられるものらしいです。震災遺構「たろう観光ホテル」は、市の所有になり、ただいま工事中空き地にポツンと残る「たろう観光ホテル」は、震災遺構として工事中で、中には入れず、車窓から見ました。4階まで浸水し、1~2階は鉄骨を残して、津波に持っていかれたそう。この先にある臨時の民家で、「たろう観光ホテル」の6階からオーナーが撮影した映像や今歩いて来たばかりの堤防の向こうで、土煙を上げながら迫って来る津波映像等を鑑賞。お知り合いを大勢亡くされ、自らも偶然の積み重ねで助かったというガイドさんの解説は、とても涙なしには聞けませんです。「たろう観光ホテル」は、山の上に新しいホテルを建築中で、もうすぐオープン。なんと全部屋に露天風呂付のホテルなんだそう。たくさんの方が現地に足を運んでくれるといいです。遠く離れていると思った被災地のことが、とても身近に感じるようになりました。龍泉洞入り口付近 緑がいっぱい三陸の旅、最後の訪問場所は「龍泉洞」。大きな鍾乳洞です。外は真夏の暑さですが、中は息を飲むほど涼しい…というか寒い?異常に冷房を愛し、寒いと感じたことがついぞない私でも、ストールを必要とした折り紙付きの涼しさです。あ、冷房でなくて、ここは自然の気温ですけどね。中は照明でライトアップされています右手指骨折のせいで、大きいカメラを持って来れなかった私。これまで特に不自由はなかったのですが、ここに来て、ちょっと後悔。暗い鍾乳洞の中だと、小さいミラーレスでは、シャッタースピードが落ちて、シャッターが下りない、若しくは、画像がブレまくりなのです…。あ~あ…残念です…。地底湖 いくつもあります 途中からこんな階段がたくさん ヒール厳禁! ええ…、私はヒールでした…あちこちに水が流れています洞窟出口の風景 赤い橋がまぶしい〈まとめ〉2泊3日、正味2日の行程でしたが、いろいろと濃い旅行でした。風景は絶品だし、食べ物は美味しいし、三陸は見どころの多い素敵なところでした。ちょっと遠いけど、おすすめの場所。また行きたいな。