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カテゴリ:少女・レディースコミック
今季アニメ化されてる作品。
1985年に連載が開始されていたようで、当時、全く少女マンガを 読まなかった時期のため原作は未読。 ただ、すごく支持されてる作品だということは耳に入ってました。 今回、アニメ化ということで原作を読んでみました。
ああ・・・これは名作だわ・・・ 間違いなく。 昔の作品といっていいのかはわかりませんが、昔の作品ってその世界に どっぷりのめり込み、心を鷲づかみにされ、読後放心してしまうような 強烈な作品って数多くありましたよね。 確実にその中の一つとなりうる作品だと思います。 心が揺さぶられ魂が震える作品。 これは切なさで胸が痛くなり、しばらく痺れが残るような強い衝撃を 与えてくれましたわ。 最近の作品では滅多にお目にかかれない感動を味わいました。 作品の世界観がしっかりしてて、なんとキャラの魅力的なこと! これは当時作品を追いかけていた人たちは堪らなかったでしょう。 今読むと、ちょっと英ちゃんのキャラが古い感じがしますが、それでも アッシュを変えてしまったキャラとしては申し分ない。 そしてラストの手紙を読むに英ちゃんも賢い人だということがわかります。 作中、バナナフィッシュに関わる人たちは悲劇へとまっしぐらなのですが これは少女マンガの枠をはみ出したストーリー仕立て。 バナナフィッシュというのは個人の自我を破壊し、完全に支配可能にする 恐ろしい幻覚剤。 偶然発見され密かに研究をされてきたというもの。 なんてものを開発してくれちゃったんだよ~~~~って思わずにはいられ ませんが、これのお陰で刺激的な世界が構築されたとも言えるわけで。 感想といっても、もうアッシュという人物の魅力に尽きるのではないかと。 細かい感想は全部ぶっとばしますね。 後は読んでくださいってことで。 激しくネタバレしてますのでご注意を。 類い希な美貌に恵まれたがために本人の意志とは無関係に幼い頃から性的な 対象として大人から奪われ蹂躙されることを余儀なくされたアッシュ。 それでも自らの才知で運命に抗い生きる姿は逞しい。 その上、IQ180以上で超絶美形なんて、私を跪かせる要素は十分。 これ以上ないほどの完璧さ。 ひたすら支配されることを拒み、自由を求めて生きる彼の周りにはいつも 彼を崇拝する者と彼を妬み陥れようとする者が・・・。 いかなる瞬間も気を抜けないアッシュにとって、英ちゃんといる時間は 束の間の休息だったんでしょうね。 利害を伴わずアッシュ自身を好きになってくれた英ちゃんはアッシュの 支えでもあるし、同時に弱点でもあって・・・ なんともこの関係性がたまらん。 アッシュの功績を見れば、彼は特別で他の追随を許さない程の才能に 恵まれているといえますが、それは彼が望んだことではないし、名声も 富も権力も彼には興味がなくて。 心から血を流し、自分を苦しめた者へ復讐のみを糧に日々生きていただけ とも言えるのでは。 ジェシカがレイ○された後で立ち直るのに半年かかったと言った時、それ では生きてこれなかったと答えたアッシュが痛々しくて。 作中だけでも何度もそういう状況になってますし。 自分に触れようとする者を憎み、他を拒絶して生きるアッシュが奇跡的に 手に入ることの出来た「安らぎ」が英ちゃんだったんですよね。 彼が自分の弱点となると分かっていても、一度知ってしまった感覚をもう なかったことにはできなくて。 英ちゃんもまた、アッシュを彼の呪わしい運命から守らなければと思って いたとは。 英ちゃんが居なければ、アッシュは隙を見せることもなく、命を落とす ことも無かったのかもですが、彼のお陰でアッシュは地獄のような生活 の中で救いを見いだすことが出来たんですよね。 粉々に砕かれ傷ついたアッシュの心が英ちゃんとの出会いによって回復 していくという・・・。 全ての問題をクリアしたら何とかアッシュには普通に幸せな生活をして 欲しかったのですが、それは叶いませんでした。 彼の生き様は余りにも鮮烈で、細やかな幸せを望むことは許されません でした。 でも、彼を刺したのがディノの手下だったり、どこぞのモブでなくて よかったのかもです。 残念なことにシンの近況を知らなかったものだからラオは強行に及んで しまいましたが、そこには彼なりのシンを守らなくてはという思いが あったわけですから。 それにやっぱりあれだけのことをしでかしたアッシュが、日本で平穏に 暮らすなどということは不可能だったでしょうし。 私としても英ちゃんとずっと一緒に暮らして欲しかったと願わないでは いられませんが、最期アッシュが救われたのならそれでいいのかなと。 受け入れがたく辛いラストですが、それでしか締められないという必然 でもあったのだと思います。 ホント、切なくてやりきれなくて胸が痛くなる作品です。 後から後からじわじわときます。 はぁ・・・ため息しかないわ。 不朽の名作と言われるのも納得。 アッシュというキャラは魅惑的で飛び抜けてますが、他にも惹かれる キャラが多々。 特にショーターは忘れられないキャラですし、ブランカは好み。 彼が寝返ってくれたのは嬉しかったです。月龍も印象的なキャラでした。 アッシュのことが気になるあまりに迷惑な行動にばかり出てくれてまし たけど、それでも最後は可愛くなっちゃいましたね。 それぞれがそれぞれの立場で生きているのを感じました。 これはもうぜひぜひオススメの作品です。 アニメの方も良い感じですし、毎週楽しみです。 よくぞアニメ化して私に作品に触れる機会を作ってくださったと感謝。 ああ・・・でもあの切なさをまた味わうのは正直辛いかも(><) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018年07月27日 13時36分19秒
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