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カテゴリ:少女・レディースコミック
よしながふみセンセの「大奥」ついに完結ですね。
これは19巻という長さですが、超大作、名作と呼ぶに相応しい作品ですよね。 私の最初の感想は2010年のようです。 こちら→「大奥」男女逆転絵巻感想 16年に亘る超傑作がついに完結!! 安寧と言われた江戸時代にも終幕が。 江戸城明け渡しのその時、大奥では何が!? そして、江戸城を追われた大奥面々のその後は!? よしながふみ渾身のメッセージが込められた熱き一冊です! 長い長い徳川の歴史に手を付けてしまって、これ最後まで描くの大変ですよね。 って思ってましたが、見事に着地されました。 さすがはよしなが先生です。 大奥を描いた作品は数あれど、最初から最後までを描き切った作品ってのはないの ではないでしょうか。 男女逆転というキャッチーな設定ですが、それを破綻させることなく説得力を持って 終結させられるなんて神業ですよ。 大奥を描くだけでも大変なのに男女を逆転させた上にその時代に生きた人間をこうも 鮮やかに活き活きと描けるのかと・・・ この徳川という時代、試験勉強に必要な知識程度しか持ち合わせない私でしたが、 徳川にも大奥にも興味がないもので(^^; この大奥での悲哀をまざまざと見せられ惹かれずにはいられなくなりましたよ。 ドロドロとした面倒くさいものしかないようなイメージの大奥でしたが、それぞれの 将軍の生き様を知ると随分と印象が変わりました。 歴史上の人物1人1人がこの作品の中で息をし生きていました。 幕末、徳川の終焉を迎え、男女逆転劇をどう締めくくるのかと思いましたが最後まで 説得力があり、また未来に繋がる締めとなりましたね。 思わず史実では本当に男女逆転していたのでは?っと思ってしまうほどw 最終巻では大政奉還を終え、江戸城の無血開城を行うことの裏側でどのような動きが あったのかが描かれていますが、改めて唸りましたよ。 戦によって民が犠牲にならないように、また外国勢力に支配されないためにしっかり とした見識を持った者による日本の立て直しが必要だったんですよね。 勝海舟の視点は国内ではなく国外へ。 いかにして力をつけ列強と対等に渡り合えるようにするか。 江戸を火の海にせず、諸外国の餌食にならないように心血注いだ人達がいたからこそ その後の発展があるんですよね。 いや~~ありがたいことですよ。 ま、新撰組好きの私としましては複雑な思いもありますが、幕末、面白い。 そしてこのややこしい時代背景を上手くまとめ、歴代将軍が全て男性であったことに して男女が逆転劇に終止符を打つというよしなが先生の裁量。 徳川の時代の後の胤篤、滝山、仲野たちには笑いました。 はぁ・・・長かった徳川の歴史が今終結。 切なく哀しい愛憎話も多くありましたけど、明治という時代を迎え清々しい思いで本を 閉じられるなんて・・・ 丁寧な人物描写には定評のあるよしなが先生ですが、大奥は圧巻。 誰にも真似できない紛う事なき名作になったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2021年04月14日 23時16分11秒
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