Red Necks
突然だけど、私は今、通勤に車で一時間かけてド田舎で仕事をしている。とある企業で。何でそこを選んだかと言うと、単に給料が良かったわけで、じゃなきゃこんな遠くまで出稼ぎには来ないでしょってくらい田舎。(この日記の更新も、そのド田舎で行なっております…)大学卒業して、最近ここで働き始めたわけだけど、私はここに来るようになってもう一つのアメリカを見つけた気がする。私の住んでるところは、州都とは言え小さな街。私の通った高校や大学も白人が殆どであんまりDiverseではなかった。そんなコロンバスが、ここに来るとかなりの都会のように感じてしまう…私はここへ来てはじめて、俗に言う”Red Neck”達と触れ合う(!?)ようになった。まず通勤中、この地域に入ると隣で運転してる人やその辺を歩いている住民の視線を感じる。”What is that Chinese Girl doing here?”ってな具合で。(*私は正真正銘のJapanese Girlよ!!)入社してからも視線は熱かった…私は通訳として入ったわけだけど、それまで英語をしゃべれる日本人と接していなかった彼らは、私とどう接してよいのか分からず、恐る恐るまるで宇宙人と更新するかのように単語を並べて話しかけてきた。”Me, Name, Mike. You, Name?”ってな具合に。私が流暢に答えると、彼らはかなり驚いた!英語を話せる外国人もいるのか~って感じで。お昼休みになると数少ない女性社員達とランチを食べる。話題はいつも、町の噂話。どうやらこの地域ではみんながみんなを知っているらしい。休憩の時間に、男性社員とおしゃべりする事もある。話題はいつもキャンピングカーと釣りの話。この辺の人は週末になるとキャンプをして釣りをするって言うのが定番みたい。殆どの社員がここで生まれてここで育ち、ここで子供を育てている。ここから出るということを考えた事もない人が殆どだ。駐車場に止まっている車の3台に1台はピックアップトラック。ホンダやトヨタなんかの日本車は殆ど見ない。私は旅行が好きで、長期の休みにはベガスやフロリダ、カリブ海とか色んなところへ行くんだけど、彼らは休みになると、もっと田舎へ行く。そして、ひたすらキャンプ、キャンプ、キャンプ。アメリカに生まれてからずっと住んできた彼らより、アメリカに6年住んでる私のほうが色んな場所へ言っていると思う…そんな素朴な(!?)暮らしをしている彼らだが、下手をすれば都会よりも貧しく不健康な暮らしをしている人が多い。まず家族関係。私のデスクのあるオフィスの中にいる人、約15名(みんな白人)、そのうち大学卒業した人なし、高校卒業してない人も数名、そしてみんな離婚経験あり。一人の人なんか、今の妻が5人目の妻だとか。子供の親権でもめていたり、夫のDVや、子供のアル中,薬中で悩まされている人が殆ど。これほどまでに、Rural な地域が荒れているとは思わなかった。自然に囲まれ、素朴に暮らしていそうな彼らだが、ここには都会と同じくらいのHopelessnessがある。ここに来てはじめて、貧困や世の中の不平等・差別で悩んでいるのはminorityだけではないと言う事を実感した。Majorityである白人の多くも、Red Neckと呼ばれ、上流階級の人間から突き放されているんだ。この地域には、髪の毛がぼさぼさで破れた服を着、虫歯だらけになった子供を見かける。元気そうに遊んでいるけれど、私の住むmiddle classのsuburb の子供たちは新品の服を着て、歯を矯正して、ピカピカの自転車に乗って遊んでいる。正直、Red Neck=Racistというイメージが私の中であったんだけど、私は逆にRed Neckが差別されている人たちのように感じてきた。こんな田舎にも黒人は結構いて、意外と黒人と白人のカップルも多い。ここでは、都会ほど人種差別がないのかな?でも、KKKとかまだいるんだよね…昔の南部連邦の旗振ってる人も見かけるし。でも、少なくとも私の周りにいる人たちは黒人やアジア人を嫌ってないようだ。と言うより、未知の世界で、興味があるみたい。Ghettoな暮らしをしているのは黒人だけじゃない。実際、Welfare を受けている人の殆どが白人のシングルマザーらしい。未婚の母や、ダンナの暴力で別れたあげく、子供の養育費ももらっていないお母さん、お父さんにレイプされるのが怖くて家を飛び出してきた女性。アメリカのメディアはFood stampとかについて報道するとき、黒人ばっかりを映すけど、白人でもこんなに苦しんでる人がいるんだ。アメリカのSuburbに住んで6年、私にとってアメリカ人の家族(あくまでも白人)のイメージは青い芝生の一軒家に犬がいて車が2台(そのうち一台はMini van)ってな感じだったけど、そういう生活をしているのはわずか一握りなのかもしれない。アメリカは私の想像していた異常に隠し事の多い国。まるで白人の力を見せ付けるために“貧乏人は黒人だけ”と思わせるような報道をしてるみたい。ほんと、イラクになんか手出してる場合じゃないよね。まず、自分の国どうにかしろよ!!マイケル・ムーアの”Fahrenheit 911”見たよ。ああやって政府は都会や、こういう地域から貧しくて学歴のない少年をリクルートして、戦争で戦わせるんだな~。大学に行く費用のない子を学費を払ってやるからっておだてて、結局政府の奴隷にしてしまうんだ。911のテロで、何人もの人が犠牲になったけど、アメリカで出回ってる麻薬(これも政府の仕業に違いない!貧しい黒人がコロンビアまで行って麻薬買ってこれるかっつーの!)、貧富の差、未だに残る人種差別、これこそがテロだと思うのよ。ブッシュに聞いてみたい。”I’m proud of our troops!”とか行ってるけど、お宅の双子の娘2人が兵隊になってイラクに行くって言い出しても誇りを持って送り出せるのかい?話がそれちゃったけど、ここで働く事、うんざりする事もあるけど、私にはいい勉強だと思う。ここでRed Neck達と触れ合う事で、新たなアメリカを見た。本当のアメリカを。