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2005.09.03
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カテゴリ:生活
またあの津波の後と同じように、怪しい団体の寄付や募金を募るイーメール、サイトが次々流れ始めた。

こういう地球規模の災害時には、悲しいことだけれど、誰かが億万長者に成り上がる。人の不幸を利用して、誰かがお金儲けをする。人として最も恥ずべきことではあるが、実際はそういう輩が今もてぐすね引いてキャッシュインする機会を狙っている。レッドクロスやサルベーションアーミー(救世軍)などのきちんとした団体を装った団体も多いので、これから寄付をと思っている方、ぜひ気をつけてください。くれぐれもオンラインやメールで、募金を募るようなサイトにクレジットカード番号を渡すのは、本当に危険です。今くらいそういう悪い奴らが、にんまりと喜んで不正を働こうとしているのですから。とにもかくにも団体の公式のサイト、地方公共団体を通した寄付以外の怪しいグループに金品を渡すことが無いように。

被害を受けた南部州からとりまく8州へ次々 避難民の移動が行われている。それは喜ばしいことではある。しかし、受け入れる側の「私たちが助ける!引き受ける!」という高揚した意気が気になる。普通の災害のように、「いずれは地元に戻る。」とか「ほんの数週間の避難所」というのと 今回は明らかに違うのだ。アストロドームやコンベンションセンターに、彼らを数ヶ月、数年もの間とどめておけるはずは無い。いくら貧困層の人たちが大半といえ、収容所のような集団生活ができるとは思えないし、「人権屋」たちも黙ってはおかないはずだ。

今回の普及作業は短くても数ヶ月、長ければ数年になるという。就学年齢の幼い子供が多い。学校のこともある。家族はやはり家族でひとつの場所にいたいと思うだろう。衣服や食事や医療など、次々に必要なものは増え、押し込めておけば良いという問題ではない。

ひと 一人を数年サポートするということに対し、どれだけ費用がかかるのか 今誰も考える余裕は無い。数十万の人たちを誰かが支え、賄っていくことになる。もともと保護を受けていた人たちが多いとはいえ、住む場所、教育、食事、衣服、医療、交通手段・・・その額は生活保護のそれより膨れ上がることになり、それを自己負担する用意が 引き受けた地方団体や教会関係の個人たちにできているとは思えない。当面の避難のこと、引き受け先の確保だけでは終らない 人の命がこれから重くのしかかってくるのだ。

私の住む街には郊外で自然が多いことから、教会関係のキャンプ施設や州のキャンプ施設があって、そこに数百人の避難民を住まわせると決まった。そこから市がバスを出し、それぞれの子供たちを学校に通わせるらしい。子供の数は膨れ上がり、これから無期限にサポートすることになる。これまで学校に通っていなかった子供も多いかもしれない。それに対応する教師を雇用することを考えているのだろうか。サポートする人たちがいるのだろうか。とりあえず収容すればよいわけでなく、これは収容先の市民の負担と犠牲の上に成り立ってくるというのが現実だと思う。決して受け入れたくないというのではなく、今「誰かを助けている」と好い気になっている人たちに警告したいのだ。「じゃあ これから一生彼らの面倒をあなたは見る覚悟ができていますか?」と。

ニューオリンズ近辺の被害が少なかった場所に、プレハブ住宅を建築する予定はあるのだろうか?低所得者のためのハウジングに代わる集合住宅を建築しない限り、避難民の多くは避難した先に留まるのではないだろうか。ノースダラスやダラスの北のいわゆる「お金のある」地域も 避難民を受け入れる準備をしているのだろうか?軍の大型輸送機で他の大都市 たとえばシカゴやデトロイトなどへの移送もチョイスに入っているのだろうか。テキサスには 十万人以上の避難民が移動している。彼らのこれからの生活を支えるのは 一体誰なのだろう。政府ではなく 結局市民それぞれの負担になることは目に見えている。これからの長い目で見たサポートを本当に冷静に考えている人がいるのだろうか。人の命を引き受けることがどれだけ大きいことであるか、今だけの「正義感」では困るのだ。

ハリケーン カトリナ被災者への寄付

アメリカ赤十字社Hurricane_Katrina 120x60  Salvation ArmyHurricane_Katrina





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Last updated  2005.09.04 00:27:37
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