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テーマ:心の病(7246)
カテゴリ:闇と影
20年前の今日、母は自殺しました。
首吊りでした。 母は心の病を抱えていて、以前にも 何度も自殺未遂はしていました。 父に聞いたら、私が生まれる前から 「対人恐怖症」があったみたいで、 被害妄想が酷く(きっと今なら統合失調症の典型的な症状) 弟が生まれてからは「育児ノイローゼ」も出て 段々と家に引き篭もりがちになってました。 そして父がアメリカ留学(仕事で)が決まってから 症状が悪化しました。 その時のかかりつけの医者は 「そんな簡単に病名なんて分る訳ないでしょ! アメリカに行ったら、そっちで精神科にかかりなさい」 とつっけんどんに言い放ったそうです。 アメリカで最悪の事態が起こったの。 母がクローゼットの中で、首吊りしてた。。。 相当苦しかったらしく、 「死にたい、苦しい…」と言ってた。 私が慌てて止めたら、正気に戻ったけど… 首には、誰が見ても分る真っ赤な線がついていた。 日本だったら、何とか助けを求める事が出来ただろう。 しかし、異国の地では… 私は泣きながら、首吊りを止めるのが精一杯。 包丁で手首を切り落とそうとしているのも 必死で止めた。 私は何度か、母の自殺未遂を止めている。 事態が悪化したので、父をアメリカに残して 母・私・弟は日本に帰ってきた。 父が帰って来るまで、母の実家で過ごすつもりだった。 それだけ症状が悪化していた母が 自殺の前日、急に元気になった。 普段は絶対に、アメリカに電話をしない母が 父(夫)に電話をしていた。 (後で聞いた話だと、しきりに「子供たちをよろしく」 と言っていたそうだ) 私や祖母は、母の病気が快方に向かってくれた! と大喜びをしていたのです。 翌日、自分の誕生日に縁側で首を吊った。 私は現場を見たわけじゃないから… 母の死体がどんな状態だったかは分らない。 学校から返って、事態を知った私は もちろん大泣きだった。 でも、その涙には2つのワケがあっただろう… と、今になって思う。 一つは、自分を産んでくれた母が亡くなった事。 もう一つは…もうこれで、母の自殺を止めなくて済む。 と云うような感情だった気がする。 正直ね、自殺しようとしている人を止めるのは 凄くパワーの要る事なの。 ましてやそれが、家族だったら…なおの事。 私は、母の自殺を止めるのが辛かったの。 今の私だったら、多少なりとも理解できるだろうけど それでも、母の自殺は止められないだろう…と思う。 私は家族を自殺で亡くしているから こう思うのかもしれないけど… どれだけ本人が辛くても、 私は、その人の人生を背負ってあげられない。 その人が、自殺してしまうくらい苦しくても 私が変ってあげる事はできない。。。 結局、自分の人生は、自分で背負っていかなければ。 だから…だから、 私は「自殺しようとしている人」をとめることが出来ない。 もちろん、家族、親戚、友人…etc この人たちが自殺したら、悲しいよ。。。 でも、自殺するくらい辛いんだから… ちゃんと成功してよかったね、辛かったね。 こう思っちゃうんです。 未遂に終わって、酷い後遺症が残ると 本人も周りの人間も、もっとツライ思いするから。 最後に私信… お母さんへ お母さんが死んでから、もう20年経ちました。 私たち家族は、必死で生活しているうちに 自分の事が忙しくなり、貴女の事を思い出す事が 少なくなってきました。 ホントは、もっと喧嘩したりしたかったよ。 一緒にお洒落して街に出て、 ランチ食べたり、洋服見たりしたかった。 料理も教えて欲しかったよ。 私、「お袋の味」ってどんなのか分らないよ。 ピアノも教えて欲しかった。 「親孝行、したい時に親はなし」 って、その通りだね。 今だったら、少しでも何か出来たかも …って思うと、やりきれない。 自分も心の病患って、初めて お母さんの苦しさを知ったよ。 自殺するくらい、辛くて苦しかったんだよね。 今は天国で両親(祖父母)と一緒に 皆の事、見てくれてるかな? 短い人生だったけど、 本当に、お疲れ様でした!! 娘より P.S. 下の画像は、母が大好きだった「かすみ草」です。 携帯で撮ったから、画像が悪くてゴメンネ;; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/07/06 07:40:39 PM
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