タロットコーチのゆったり庵（大阪梅田・神戸・京都・奈良）

こないだはえなさんと
「BOX袴田事件」を観てきました。
http://www.box-hakamadacase.com/

※袴田事件とは
　http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%B4%E7%94%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6

実際にあったお話を元にしています。
裁判に関わった担当判事が良心の呵責に耐えかねて辞職し
冤罪を主張しているという珍しいケースです。


（以下の日記は映画を元にしているので実際の事件とは少し異なるかもしれません）

あるところで放火殺人事件がありました。
身内ばかりが従業員の会社の重役のお家のお金が盗まれていました。
そのとき

・身内ばかりの中で一人だけよそ者の従業員がいる
・実家に仕送りをしないといけなくお金には困っている
・日頃から愛想がいいほうではなく何だかよく分からない
・昔ボクシングをやってたんで腕っぷしは強い

てなるとまず
「あ、あいつが怪しいんじゃないのか・・・？」
ってなりがちです。

そこに血が少しついた服など見つかろうものなら
「やっぱりあいつじゃないか！」

となってしまいがちなのかもしれません。


人間思い込んでしまうと答えを設定してしまうと
それを証明するようなものしか見えなくなってしまいます。
あいまいなのは嫌ではっきり納得したいんです。
僕も人のお話を聴くことが多いので気をつけないと・・・


服に付いた血痕と状況証拠で逮捕したものの決定的なものはない
そうなると自白が鍵を握るわけです。

「認めたら死刑になるわけだから
　やってなかったら絶対認めないだろう。」

ついついそう思ってしまうから自白に重みをおいてしまいますが、
どんな目にあっても逃げ道が見えても
正しいことを言い続けられる強い人間ってそんないないです・・・。


で、自白と服に付いた血を元に裁判が行われますが

一転被告は無罪を主張します。
服の血は判別不能で証拠能力を失いました。
自白も強要の恐れが出てきました。

このとき死刑の判決を下した判事の一人が辞職しました。
そして独自で調査して矛盾点が色々見えてきました。
「何があったら彼を犯人だと考えられるか」という視点でなく
「真実は何か」
という視点で同じものを見つめなおすとまた違ったものが見えてくるからです。

でもその後死刑判決は覆りませんでした。

一年後以前探したところにはなかった場所から
血痕の付いた服が見つかりました。
でもサイズが合いませんでした。
「彼を犯人と見るなら」の視点では「服が縮んだからだ」とみて
「真実は何か」の視点では「犯人は別にいる」ということになりそうです。

死刑の判決が出たあとずっと今も執行されていないというのが驚きです。
もしかすると
これはもしかすると冤罪かもしれないから自分が在任しているときは
執行したくない
でも今さら冤罪と認めるわけにはいかない
それのせめぎ合いの結果なのかもしれません・・・


人間って弱い存在です

早く犯人を挙げてしまいたい警察
有罪を確定させてしまいたい検事や裁判官
良心の呵責に耐えかねて判決に関わるも辞職した裁判官
自白した被告
死刑の執行が出来ない歴代の執行官たち

色んな人が自分のことを少し大事にした結果
結果としてシステムの落とし穴にはまり込んでしまい
誰かの不幸がもたらされる可能性があることをこの事件は示してくれているのかもしれません・・・


人が人を裁くのは本当に難しい！
ましては生活がかかっている中で
どこまで曇りなく良心的に裁くことが出来るだろうか・・・？

人間そんなに強くないよってことを前提にした
システムが必要になりますね。
こういったことを国会でどんどん議論して欲しいと思います☆