テーマ:心の病(7246)
カテゴリ:涙
母が、朝食と自分のお弁当を作っている間、ボーっと立っていたら、 『このボウルはね、宮古の家から持ってきたもの。。。』というなり、泣き出してしまった。 母の実家を、取り壊すことにしたのは知っていた。いつかは、知らなかった。 今週の月曜日から、取り壊していると言う。 『もう終わったんじゃないか』、と、母は言った。 『自分の生まれ育った家が壊されるのは辛いね』と、また泣き出した。 辛いだろう、、、母にとっては、両親・祖母の思い出も詰まっている家だったろうから。 わたしは、数回しか行ったことが無い。街の家には、泊まったこともあったが。 わたしと弟達が小さい頃、祖父母の街の家に泊まったことがあった。 その時、祖母は、何を作って食べさせたらいいかわからない、と、母に相談があって、 カレーを作ることにしたと言う。 確かに、その時、カレーを食べた記憶がある。お手伝いも少しした記憶も。 まっさらなスプーンと、カレー皿が出てきたと、今朝、母は言った。 たぶん、その時、一度きりしか、使っていないもの。。。 スプーンを持って帰ろうと思って、ビニール袋に入れたまま忘れたと言う、 あとで、親戚に連絡したら、捨てたあとだった、と言い、また泣いた。 母の気持ちを思うと、、、今、涙が止まらない。 祖母は、認知症になり、寝たきりになり、経管栄養になり、大きな音にしか反応しなくなり、 最後は、体中の皮膚に、カビが生えてしまうほどの感染症に苦しんで亡くなった。 そんな祖母を、ずっと見守り続けて、母は見送ったのだった。 祖父も、失明し、本が読めなくなったことで、怒りっぽくなり、最期は癌で亡くなった。 毎週末、島に通って、看病しながら見送ったのだった。 祖母は、元気な頃は、聖書を手放さないクリスチャンだった。 祖父は、お酒が好きで、それが、わたしには怖かった(父が飲まないので)。 『このボウルとね、あのザルが、宮古から持ってきたもの、あんたがわかっていればいい』 と、母は言い、わたしに、記憶をつないだ。 『おじいちゃん、おばあちゃんが亡くなってからすぐじゃないし、20年近く維持してきたから』 『…と、思っても、申し訳なくて。お寺さんに報告しにいかなきゃ』 と、泣きながら言った。その間も、手を止めないのが、母らしい。 そのときは、わたしも、一緒に行こうと思う。がんばって。 あんたはいいから(病気で)、と言われて、お位牌を預けたお寺さんに、まだ行ってもいない。 母が行くときは、必ず行こう。 Blogならclick! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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