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2010.05.30
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カテゴリ:カテゴリ未分類
患者さんのCさん、悪性の脳腫瘍があるので、毎月私たちの病院に抗がん剤の投与のために入院してきます。
実は彼は慢性の鬱も患っているため、かなりの気分屋さんで看護師泣かせの患者さんなのですがスマイル私とは有難いことに何だか“ウマが合う”と思ってくれているらしく(?)言うことを何でも聞いてくれるのです。
そのためCさんが入院してくるとチャージもそれを分かっていて、いつも私をアサインしてくれます(ありがたいことです雫

実は、脳に抗がん剤を投与する場合、かなり特殊な方法を使います。
と言うのは、脳血管には異物を寄せ付けない“Blood brain Barrier”という保護メカニズムがあるため、通常の抗がん剤投与では脳の腫瘍に行き届かないことが多いのです。
そのため長いカテーテルを脳に通して、そこから抗がん剤を直接投与します。
もちろん脳に直接抗がん剤を送り込むので、その後のケアもかなり大変です。
普通だったらICUに行く患者さんたちなのに、なぜかドクターたちの好意(?)で、うちの病棟にいつも送られてきます。
しかも投与は一回だけでなく、毎月、それが一年ちょっと続くので、患者さんの負担も(身体的、金銭的にも)大変なものになります。

ところが今回、Cさんもまた翌日の抗がん剤投与のために、まずはMRIで腫瘍をチェックしたのですが。。。ドクターから腫瘍の状況が思わしくないことを告げられてしまいました。
Cさんは、普段かなりジョークばかり言う人なんですが(それもシニカルなジョークが多いびっくり
今回はそんなCさんも涙目でかなりショックを受けていました。当然ですよね。
そのため私もCさんとかなりの時間を過ごすことになりました。
でも翌日には、また抗がん剤の種類を変えて、新たに投与を始めることになりました。
その後、持ち前の彼の性格はまた『復活』しましたけど。
でも今回、またCさんといつものジョークを交えていろんなことを話しましたが。。
また彼の別な面を学ぶことができました。
是非今回の治療で腫瘍に良い変化が起きて欲しいです。

そして患者さんMさんも、今回抗がん剤投与のために入院してきました。
彼も以前右腿の肉腫と脊髄の転移で手術をした際、ケアをしたことのある患者さんでした。
手術後の彼の大変な様子を覚えていたので、今回とても元気な姿を見ることができたのは、やはりとても嬉かったです。
彼には、とても献身的に尽くしてくれる素晴らしい奥さんがいるのですが、彼女を観ていると『家族の“介護”の大変さ』を身に染みて感じます。
しかも彼女、ダンナの前ではポジティブな態度を絶対崩さないんですよ。
これってなかなかできることではありませんよね。
例えば私たちは12時間シフトでお休みがもらえるけど、ご家族にとっては24時間休みがない状態なんですよね。。
新生児を持ったばかりのお母さんやお父さんなら、この大変さが分かると思います。(もちろんケアや気持ちの度合いは全然違いますが)
介護ってて本当に体力的にも精神的にも大変なことだと思います。

そして同じ夜来た新患のMさんは乳がんの腫瘍除去の手術をした後に、うちの病棟に運ばれてきました。
彼女のご家族が心配そうに(これも当たり前のことなんですが)一緒に付き添ってきました。こういうときは家族にも余計なストレスを与えないように、いかにスムーズにケアを進めていくか、今も勉強中です。
患者さんにも、ご家族にも、病院にいてもらう間は少しでも安心してもらえるように、自分なりに一生懸命ケアをしたつもりでした。
さすがに今週も仕事明けの金曜日には身体的にドッと疲れたのですが。。
ご家族が『私のお母さんのケアを親身になってしてくれて、本当にありがとう。』と言ってくれて、なんだかその一言で疲れもふっとびました(笑)
シフトの終わりには、患者さんも大きなハグをしてくれたりとか、やっぱり私はこういう“瞬間”があるから今の仕事を続けていられるんだなぁ、と思いますきらきら

英語には“Put yourself in somone else's shoes”(直訳すると“自分の足を相手の靴に入れてみる”つまり相手の立場になって考えるということですね。) という言いまわしがありますが、癌も手術も抗がん剤の投与も、やっぱり体験した人でなければその辛さや大変さは到底分からないことです。
でも私はそんな患者さんをケアさせてもらっている立場なので、私にできることは少しでも癌や抗がん剤などについての看護の知識をもっと増やすことなんだろうな、と思います。
それによって患者さんの体験していることを少しでも理解できるようになれば本望です。

実は7月に1ヶ月バケーションを取る予定なのですが、今回は日本へ里帰りはせずに(今まで日本には毎年のように帰っていたんですが)こっちの夏を満喫することにしました。
実はその理由の一つとして、癌看護認証試験を受ける予定なんです。
日ごろは仕事&家族のことなんかで勉強ができない(というか、していない雫)ので、今回はしっかり休みを取って試験勉強することにしましたえんぴつ
自分の中で、癌看護についての知識向上にもつながるといいな、と思います。
そしてこの認証試験に合格すると毎年ささやかなボーナスももらえるようになります。
そういえばアメリカの会社って、私が今まで勤めたところはボーナスがでなかったなぁ。
これって日本特有のものなんでしょうか??

今週も忙しかったけど、学ぶことの多い一週間だったので感謝、ですさくら
月曜日はメモリアルデーで休日なので、家族と久しぶりに遠出してきますっ音符






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Last updated  2010.05.30 18:29:13
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