登場人物:◎田、七重、夏雄、M子
金沢市内の、と、あるしゃれたビルのロビー
何やら落ち着かない若い男女が立ったまま少し離れたエレベーターを見つめている。
七重、そして最近真剣に付き合いを始めた◎田である。
上に上がっていたエレベーターが1階を指す。
降りてきた年配の夫婦連れ、この二人にもやや緊張の色が伺える。
と、突然若い男性が夫婦連れに近づき深々と頭を下げた。
「始めまして、七重さんとお付き合いさせていただいています◎田です」
実に礼儀正しくすがすがしい態度に夏雄は一抹の不安が消え、安心して答えた。
「ま、堅苦しい挨拶は別にして、近くに予約取ったのでそこへ…」
一方、M子も「写真で見るよりソフトな感じで、背も高いし、いい人そうだ」と安心。
何より、夫が彼を気に入った様子が嬉しかった。
彼女は二日ほど前に◎田の写真を娘から見せられており、
夏雄の弟似だから大丈夫だろうと、既に好印象を持っていた。
実は、M子は自分の両親、特に父親に結婚を猛反対されて家出結婚をしていた。
とても幸せな結婚生活だが、結婚以来一度も実家に泊まらないなど、
七重誕生で出入りを許されたあとも、両親が死ぬまで、そのことは親子関係に影響していた。
そして、常に夏雄に「申し訳ない」という感情をいだいていた。
だから、娘の結婚は家族中が祝福する結婚であって欲しいと思っていたのだ。
主人が反対しませんようにという願いは、
冒頭の夫と◎田の挨拶を聞いて叶えられた…彼女はそう確信していた。
今後、どうなるのかはわからないが、
七重がこうして両親にきちんと男性を紹介するのは初めてなので、
結婚を意識しての付き合いであることは間違いない。
だから、なおさらに四人は緊張していたのだった。
挨拶のあと、予約してあった串揚げ屋へと向かう四人。
前に夏雄と◎田、後ろにM子と七重母子。
前を歩く夏雄と◎田を見ながら、M子は「夏雄と◎田はうまくいく」そう確信した。
そうでなければ初対面の娘の彼氏と肩を並べて歩くはずがない。
今まで何人かの娘の男友達が家に来たが、
こんなにフレンドリーな態度は見せたことがない夏雄だからだ。
娘と◎田の関係は心配しても仕方がないから、ある意味さめているM子であった。。。。
------------つづく----------------
…ってなことで、いい感じで始まったごたいめーーーんは無事終了。
とっても好青年、娘より1歳下で地元食品卸会社の営業マン。
職場の飲み会で知り合い、グループ交際を経て、お付き合いをはじめ、
これから楽しいデートを続けるために、私たちに挨拶したかったのだそうです。
では、今から出かけますので、続きは又。
きのうの皆さまのたくさんのコメントに感謝します。
この嬉しいご報告、まだ結婚が決まったわけではないのですが、
娘に彼氏が出来、ダンナがいい感じで迎えた。
これはとっても、とっても嬉しいことなのです。
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