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2009.04.26
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カテゴリ:映画レビュー

 今年のアカデミー賞、作品賞など8部門で賞を取った「スラムドッグ$ミリオネア

すべて、インドで撮影された映画。

急に見てみたくなって、昨夜見に行ってきました。

 

 クラブ クラブ クラブ クラブ クラブ クラブ クラブ 

あらすじ(ネタバレ)

インドの人たちを熱狂させる番組「クイズ$ミリオネア」

その番組に出演し、無学にもかかわらず、前人未到の全問正解にあと一歩と詰め寄った主人公ジャマール。

それをねたむ司会者に、詐欺だと警察に告発され、拷問を受ける主人公。

でも、その取調べの中で、無学の彼が、なぜ質問に正解できたかが明らかにされていく。

それは、とりもなおさず、彼の過酷な生活があぶりだされていくことに他ならなかった。

 

インド・ムンバイにあるスラムで育った、ジャマールとサリーム兄弟。

イスラム教迫害による殺戮で、目の前で母を亡くす。

それからは、同じ境遇の少女ラティカと、子供だけ3人で生きて行こうとする。

ゴミ捨て場で日々の糧を得ていた3人の前に、衣食住を提供してくれる大人がやってくる。

聖人か?と、あがめる3人。

でも本当は、集めた孤児達にお金を稼がせる一味だった。

兄弟二人は、命からがらそこから逃げ出し、過酷な中でもたくましく生きていた。

でも、一緒に逃げることの出来なかったラティカが気になる弟のジャマール。

嫌がる兄サラームと共に、ムンバイに戻ってくる。

ラティカを探し出すことは出来たが、そのことがきっかけで、悪の組織の一員となってしまった兄サラーム。

そしてサラームとラティカは、ジャマールの前から姿を消す。

でもふとしたことがきっかけで、再会する三人。

再会も束の間、離れ離れに。

 

詐欺の疑いの晴れ、最後の一問、2000万ルピアのかかった番組にもどるジャマール。

だが、最後の一問の答えが全くわからない彼は、ライフラインの内の一つ、携帯電話を選択。

兄以外に、身寄りも友人もいない彼が唯一電話番号を知る相手、それは兄サラーム。

でもその電話に出たのは、ラティカ。

彼女の無事に安堵するジャマール。

でも、彼女は答えを知らなかった。

そして、感だけで答える彼。

彼は2000万ルピアを獲得し、同時にラティカも取り戻すことが出来た。

 

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あらすじだけを読むとサクセスストーリーっぽい。

でも、大金とラティカを得た結末を見た時に、私の心に喜びや達成感は全くありませんでした。

この映画は、見ている途中、何度も目を覆いたくなるシーンが出てきます。

ヨーロッパではジプシーが、物乞いに有利になるよう、密かに子供の手足を折って、同情を集めるという話を聞いたことがありました。

でも、この映画の中では、それ以上のことも。

ムスリムの虐殺や、物乞い、ゴミ捨て場に暮らす子供たち。

生きていくために、自分の手や身を汚す青年達。

実際、インドには行ったことがないけど、すべて架空のお話ということではなく、ある程度現実を踏まえていると思われます。

秩序が保たれ、清潔な国日本。

それでも、想像を超えた、目も耳も覆いたくなるような凄惨な犯罪が次々と起きてきている現実。

そんな中、なるだけ映画などでは、そういったものを見ないようにしていた私。

悲惨なお話は現実の世界だけで十分過ぎるから。

でも、今回見てしまった「スラムドッグ$ミリオネア

また一つ、見ないようにしていた現実を、目の前に叩きつけられてしまいました。

しまった・・・

この映画、善悪とかそういったものを判断させるのを目的にしているとは思えません。

ただ淡々と、すごい速度で現在発展を遂げている混沌としたムンバイの町に、存在するだろうと思われる現実を描いています。

それだけに重い・・・

知識としては知っていても、映像として見せ付けられると、しばし言葉を失ってしまいます。

これが映画の持つパワーなのでしょう。

そういった意味で、この作品は、アカデミー賞にふさわしい作品。だと思いました

 

近いうちに、原作「ぼくと1ルピーの神様」も読んでみようと思っています。

 

 

 






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Last updated  2009.04.30 12:07:11
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