☆DREAM GIRLS☆
レディス・デイなので、映画を見にいってきました。平日のお昼間にしては、結構、人が入っていましたね。さすが「レディス・デイ」。今日、見た映画「DREAM GIRLS」3人の黒人のグループシンガーが栄光を手に入れようとするお話。結構お勧めただ、ブロードウェイミュージカルが元なので、セリフを歌で表現する場面があります。ミュージカル好きでないとちょっと引くかも。ストーリーは、3人がオーディションを受けるところから始まります。ジェイミー・フォックス演じる「カーティス」の目に留まった3人。エディー・マーフィ演じる「ジェームス」のバック・コーラスとしてデビュー。いよいよ、彼女らだけでメジャーデビューしようとする時に、ビヨンセ演じる「ディーナ」は、カーティスに美しくてカリスマがあるからリードになるように言われます。そして彼女が、圧倒的に歌の上手なジェニファー・ハロルド演じる「エフィ」を差し置いて、リードに。テレビや舞台を意識したら、美しいジェニファーじゃないと客受けがしないという理由。エフィは歌こそ上手だけれど、さしずめ映画なら、子守役に出てくる黒人奴隷のようなルックス。客寄せパンダ(言葉が悪くてすみません)にはなれそうにないの。そして、ディーナがリードを担うようになったグループは成功街道まっしぐら。でも、ディーナがスターになればなるほどカーティスの考え方は、他の人たちと離れていくの。メジャーになればなるほど、万人受けを狙わなくてはいけないので、タブーが増えてくる・・トップを走り続ける為には、良い悪いは別として、政治色や、宗教色、何か特別な色に染まりすぎてはいけない・・だから、商品としての価値が高まれば高まるほど、スターは、誰かが作り上げていかなくてはいけない・・・少なくとも、プロデューサーとしてのカーティスはそう思っているよう。もちろん、その考えは大衆に迎合していて、ディーナは揺るぎないスターの座へ。皮肉に思えたのは、客寄せをするためにリードをディーナにしたのだけど、この映画も同じことをしているのかなって思える部分。ビヨンセが主演の1人に名前が挙がっているけれど、ジェニファーの役の方がず~っとよく描かれているの。しかも、ジェニファーの歌、演技、共に最高~~~ジェイミー・フォックス、エディ・マーフィー、ジェニファー・ハロルドは、見ていて、彼らが演じている役どころの気持ちが痛いほど伝わってくる。もちろん、ビヨンセの美しさはため息ものだし、歌だってとても上手。でも、ビヨンセ演じるところのディーナは素敵に描かれてはいるけれど、今ひとつ、見る側の心にディーナの気持ちが響いてこないの。だから、ビヨンセは映画の成功のためにリードに据えられただけって。何かで聞いたことがあるのだけど、「素人でも、歌を楽譜どおり完璧に歌うことは出来る。でも、歌として完璧に歌うことより、他人の心に響くように歌うのがプロだ。」って。これを聞いた時になるほどねってそして、この映画を見終わって心に浮かんだ言葉があるの。映画の感想とも言えるんだけど。それは、読売新聞に連載されている小説「声を尋ねて、君に」に、このところよく出てくるフレーズ。「If you lose it, you'll get it.」もちろん、この逆の「If you get it, you'll lose it.」もこの映画にあてはまるなぁって。そして、この映画にだけではなくて、私の人生にも。私にとっての「If you lose it, you'll get it.」と「If you get it, you'll lose it.」って何かしらこの映画を見た後、暮れゆく雲ひとつない美しい空を見ながら、しばし物思いにふけりました。そういった時間を私に与えてくれたこの映画「DREAM GIRLS」に感謝