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ふと振り向けば、キンモクセイ。
気付けば今年も、そこここにちらちらとした可憐な花が咲いていた。 毎年この花が咲く度に、立ち止まり、己の人生を想う。 和ませてくれると同時に、己の足元をゆっくり見つめさせてくれる そんな香りでもある。 この香りの季節には過去の様々な出来事が頭をよぎる。 同時にその頃抱えていた雑多な思いも、おもちゃ箱を ひっくり返したように蘇ってくる。 そのほとんどの過去達は辛いのでもなく、哀しいのでもなく 今はただ、ふわりとぼんやりと懐かしい。 ある日、ふとポストを見ると、小さな茶封筒がある。 見ると中身は友人からの外国土産で、小さな字で 「キンモクセイのお茶です」とあった。 ティーパックの向こう側に、キンモクセイとウーロンの茶葉が ちんまりと透けて見えた。 全くの偶然とはいえ、なんと粋なはからい。 私の一番好きな花のお茶が、今掌にある。 やるな、と思わず呟く。 こういう偶然が、大好きだ。 家の近所を歩くと、いつも目に飛び込んでくる樹がある。 プレートを見ると、「マテバシイ」とある。 ある日道路の片隅にどんぐりが転がっていた事があるのだが この樹のものなのだろうか? 「ほら、これがどんぐりだよ、瞳。」娘にそう話し掛けると きょとんとした顔をしていた。 名前の由来「大味な事から、待てば美味しくなる →マテバシイと呼ばれるようになった」 と、ある。 気に入った。こういう解釈は好きだ。 アスファルトを踏みしめるように歩く。 秋雨に家路をせかされても、私の人生はせかされない。 私の人生も、待てば美味しくなるのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月11日 22時44分21秒
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