New York, I Love You
今日はレディースデイでしたので、、、他の用事もあったし、朝イチでまたまた西北へ。ニューヨーク、アイラブユー New York, I Love You(2009年フランス・アメリカ)監督:チアン・ウェン、岩井俊二、イヴァン・アタル他あらすじ 映画「パリ、ジュテーム」と同じ企画の第2弾。舞台をNYに移し、10人の監督が各自の物語をオムニバス形式で構築。11人目の監督が更なるエピソードで全体をつなぎ、1本の群像劇に仕上げた。豪華キャストと世界の注目監督との意外なコラボにより、キャストの新たな一面を引き出すことにも成功している。話はだいたいこんな感じ。ホント、たくさんの形の愛が詰まったコラージュです。Love01:チアン・ウェン監督スリの青年ベン(ヘイデン・クリステンセン)は中年紳士ギャリー(アンディ・ガルシア)から財布を盗み、中に入っていた若い女性モリー(レイチェル・ビルソン)の写真に惹かれる。その後偶然見かけたモリーのあとをつけて話しかけると、そこにギャリーが・・・青臭い若造、って感じのヘイデン・クリステンセンはぴったり!そして、絶対にカタギの大学教授には見えないアンディ・ガルシアの組み合わせが妙に面白かったです。Love02:ミーラー・ナーイル監督 47丁目ダイヤモンド取引所ではインド人ダイヤモンド商マンスークバイ(イルファン・カーン)のもとへ仲買人リフカ(ナタリー・ポートマン)が訪れ、ビジネスの駆け引き。全く異なる宗教を厳格に守る二人だが結婚のために剃髪したリフカの美しさに息を呑むマンスークバイ・・・Love03:岩井俊二監督 引きこもりのアニメーション映画音楽作曲家デイヴィッド(オーランド・ブルーム)は顔も知らない監督アシスタントのカミーユ(クリスティーナ・リッチ)の電話で監督の奇妙な指示を伝えられる。ドフトエスキーを読んで曲を作り直せ、と。だが小説のあまりの長さにうんざりしたデイヴィッドはカミーユに仕事を下りると宣言する・・・デイヴィッドが作っている映画のワンシーンは岩井監督の熱望でスタジオジブリから借りたゲド戦記だそうです。クリスティーナ・リッチってホントかわいい・・・穴あきのTシャツ着て本が読めないっ、とごねるオーランドも良かった。Love04:イヴァン・アタル監督 レストランの前で作家の男(イーサン・ホーク)が魅惑的な女性(マギー・Q)を淫らな言葉巧みに口説く。女は一通り話を聞いたところで、自分は娼婦だ、と明かすが・・・下ネタ爆裂のくどき文句をまくし立てるイーサン・ホークって、とてもじゃないけど想像できなかったが・・・上手だったマギー・Qに嘆くところは、思わずにやり。Love05:ブレット・ラトナー監督 失恋したばかりの17歳の青年(アントン・イェルチン)は近所の薬剤師リッコリ(ジェームズ・カーン)から、卒業プロムは自分の娘(オリヴィア・サールビー)と出席するように勧められる。美しい彼女の写真に気をよくしていざプロム当日迎えに来てみると、華やかなピンクのドレスを着た彼女の足元は・・・・車椅子だった!? Love06:アレン・ヒューズ監督数日前に一夜限りのつもりで愛し合ったリディア(ドレア・ド・マッテオ)とガス(ブラッドリー・クーパー)は再会のためにバーに向かう。バーで少し待った後、やはりこれからも二人の関係を続けるのか迷うガスはタクシーを拾って帰ろうとするが、後ろからリディアが現れ・・・Love07:シェカール・カブール監督元オペラ歌手イザベル(ジュリー・クリスティ)は5番街のホテルへチェックイン。腰に障害のある外国人ホテルマン、ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)と出会う。彼女の希望の部屋、花を用意したジェイコブは・・・夢か現か・・・という、不思議な幻想的な美しい一遍でちょっと他の話とは印象が違いましたが、、、、すごく心に残り、あとからあれこれ想像してしまいました。Love08:ナタリー・ポートマン監督セントラルパークで白人少女テヤの相手をしているのは、黒人男性のダンテ(カルロス・アコスタ)。テヤに目が行き届いていると感心する周囲の母親は、アナタは優秀なマニー(男性の子守)とほめるが・・・Love09:ファティ・アキン監督チャイナタウンの店で働く若い中国人女性(スー・チー)に感じるものがあった画家(ウグル・ユーセル)は、記憶を頼りに彼女の顔をスケッチするがどうしても目が描けないでいた。しばらく顔を見せない画家を心配した彼女が渡された住所を訪ねると・・・Love10:イヴァン・アタル監督Love04に続き、再びレストラン前。中年のビジネスマン、アレックス(クリス・クーパー)のところへ、女性アンナ(ロビン・ライト・ベン)がタバコの火を借りに来る。積極的に彼を誘惑する彼女だが彼がその気になると身をかわす・・・Love11:ジョシュア・マーストン監督老夫婦がゆっくりと歩いている。せっかちで心配性な妻のミツィー(クロリス・リーチマン)は夫のエイプ(イーラー・ウォラック)に歩くのが遅いと小言をいい、コニーアイランドの遊歩道まで口げんかは延々と続くが・・・Inserted Cut:ランディ・バルスマイヤー監督ビデオ・アーティストのゾーイ(エミリー・オハナ)は走るタクシーの窓から、または駅構内やカフェのテーブルから、さまざまな愛を撮影している。自身も、作家や娼婦、画家、そして、画家の死によって写真を始めた中国人女性と出会う・・・とまあ、こんな感じなんです。私は、05が結構面白かった。フラレタばかりの、ちょっと頼りない青年がすごくいいのです。これは最後にオチがあって、思わず微笑んでしまいました。小さな11本のストーリーはオムニバスってことではなくて、それぞれが少しづつリンクしています。NY舞台の映画やドラマは多くて、行ったことがなくてもなんとなくイメージとかあるもんですが、改めて人種の多さ、人や文化、宗教、言葉の多様性、生活の雑多性、余所行きではない、普段の顔のNYのコラージュ、という感じです。それぞれが日常の一こまを短く切り取ったストーリーなので人と人との関連とか背景とかまったくわからなくて話を把握するのに困ったものもあるし、大きな事件が起こるわけでもないので淡々としていて寝不足の私は、一瞬目を閉じそうになった・・・すまぬ。全体の雰囲気や音楽もいい感じでした。思った以上に、多岐に渡る話でした。ぐぐっと前のめりで見る映画ではありませんが、いろんな仕事、年齢、宗教、境遇の人が出てくるのでちょっと想像力は必要かも、ですね。