怪我と弁当は自分持ち
今回の中央アルプス遭難事故は結局4人の方の死亡事故となりました。こちら最新ニュースです。3名は檜尾近くの稜線で低体温症に因る死、残り1名は救助要請のあった檜尾から3時間以上も歩いてようやく辿り着く宝剣付近での滑落死。助かった方々は檜尾避難小屋を見つけ出した方・前泊した木曽殿山荘・当日宿泊予定の宝剣山荘に避難した方ですが山を登る皆さんには地図を開いて検証して欲しい。避難小屋の存在を知らずにバラバラの行動をしているのが分かります。檜尾から何時間も掛かる山荘に避難するというのも疑問ですがまだ引き返した方がましでした。結局破線ルートを通過しなければ宝剣山荘には辿りつけないのですから。昨年も今年もNYGでは宝剣に登るツアーにこの破線歩きは含まれておりません。この破線ルートにお客様を連れていくとしたら1対1でクライミング経験の或る方ですね。 トムラウシの遭難事故も大人数パーテイーの遭難事故も結局はガイドもリーダーもお客様も別行動をして亡くなってるパターンが多い。山に登る前に地図も見ずにエスケープルートを確認せずに登ったり軽装で天気図も見ずに行動すること事態が自殺行為です。マスコミでは韓国人パーテイーの死亡ばかりを取り上げているが五竜で起きた37人のツアー登山での滑落死も大々的に報道して欲しいものです。そもそも山を何十人というパーテイーで歩くツアー登山に疑問を持たないといけません。もし、自分が個人で槍ヶ岳でも何処でも2~3000m級の山に登るとしたら2~3人で自分と同じレベルかそれ以上できちんとトレーニングをしていて「怪我と弁当は自分持ち」をきちんと理解してる仲間だけだな~。つまり家族同様の仲間です。トムラウシ遭難ファイルに弱っていく登山者の名前も知らなかった女性がなんとかサン頑張ってと言えず、ただ、ただ、大丈夫!頑張れとしか言えなかったとの報告を読んで胸が痛くなりました。登山口で初めて会った者同士ばかりでの登山、私には出来ません。 山ブームの影響でしょうか?信州登山案内人の名簿を見て槍ヶ岳に登りたい方々の問い合わせがとても多いです。NYGではステップアップ卒業生しか槍ヶ岳は参加出来ませんとお断りしております。何回かやり取りをして今年は断念してステップアップから参加しますという方々も居ります。より安全により楽しく山に登るには自立した登山者を目ざすしかないのです。山や自然が悪いのではないのです。それを理解せずに登る我々がいけないのです。 山で変化するのは、天気だけではないのです。それは、あなたの生活が変わります。自分に必要なものは自分で持ち、どこまでも自分の力で登っていくのが山のぼりです。毎日の生活とは、だいぶちがっています。自然が相手であるだけに、自然の美しい姿のなかで、自分も綺麗な心になって自然を楽しんでくる、それが山登りの大切なことなのです。