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らむのみみ

らむのみみ

2004年07月17日
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カテゴリ:教育のこと。
昨日の日記まで、文体は敬体で書いていたが、どうも語尾が「です」「ます」の繰り返しになるため、
今日は常体で書いてみようと思う。

近頃、「食育」ということばが聞かれるようになった。
その意味するところは、字面通り「食に関する教育」である。食育の理念は以下の通りである。

近年、我が国における食生活を取り巻く社会環境や生活習慣などの変化に伴い、偏った栄養摂取、生活習慣病の若年化等健康への影響が問題となっており、児童生徒期からの継続的な食に関する指導が必要となっています。このため、小学校低学年から正しい食事のとり方や望ましい食習慣の形成に取り組みます。
(文部科学省の紹介 スポーツ・青少年 子どもたちの健康教育に関する現代的課題への対応 http://www.mext.go.jp/b_menu/soshiki2/36.htmより抜粋)

このことばを初めて聞いたとき、「ついに学校が家庭の食生活について口を出すようにまでなったのか」という衝撃を受けた。本来家庭で行われるべき食の指導が、一国の教育施策として取り上げられるようになったということは、家庭における教育力低下が国によって公言されたようなものだ。もちろんこれまで給食という教育活動があったのであるが、その目標は、

1.日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。
2.学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。
3.食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。
4.食糧の生産、分配、消費について、正しい理解に導くこと。(学校給食法第2条より)

であった。学校給食法という法律なので、当然、学校給食における目的や目標が掲げられている。
しかしこれからの食育は、学校に「栄養教諭」を置き、

「栄養教諭は、学校における食に関する指導の中心になるとともに、家庭や地域と連携して食育の充実を担います。具体的には、他の教職員とも協力しながら、子どもたちの食生活に関する個別相談に応じるとともに、給食や学級活動の時間などを活用して指導を行うほか、学校給食の管理も担当します。」
(「大臣のほんねとーく2003年11月20日 平成15年11月20日 第117号 「食育」をご存じですか? 文部科学省ホームページhttp://www.mext.go.jp/b_menu/soshiki/daijin/03112001.htmより抜粋)

となるのだという。
そしてこの栄養教諭について、平成16年3月5日の学校教育法一部改正でその身分が法的に定められた。平成17年4月1日から施行される。

蓋し、いくら学校が食に関して指導しても児童生徒は一日二食、家庭で食事をするのは変わらない。
学校で食事するのは給食分の一食である。
児童生徒が食に関して学校で指導を受けても、朝夕の食事を用意するのは通常保護者である。
食育をきちんと行っている家庭はもちろんたくさんあるだろうが、朝食が用意されない、夕食は出来合いのものが食卓に並ぶ、では学校だけで教育してもあまり意味がない。

私は食の教育は家庭で行うべきだと思う。
親が子どもと家族の健康を気遣って、手作りで食事を用意する。
親が料理をし、子どもはそれを見る、手伝うことによって、料理を手作りすることを覚えていく。
そして子どもは自分が食事を作ることによって、食事を手作りで用意し続けることの大変さを実感し、自分と家族の健康を考えて手作りしてくれる親に感謝する。
そういう土壌がある家庭には有意義かもしれないが、なければ、いくら学校で指導しても実践の伴わない知識に終わってしまうのではないか。

知り合いの小学校教員から、「自分の子どもがきちんと箸を使えない、学校ではどのような指導をしているのか」と苦情を言いに来た保護者の話を聞いた。ここまでの保護者は極端かもしれないが、学校が食の指導をするからと、その指導を学校任せになる家庭も出てくるかもしれないと危惧される。
文部科学省は、「特に家庭との連携が大切である」としている。家庭で十分なされない現状があるからと言って学校がフォローするだけでなく、同時に、家庭とどう連携するか、家庭が子どもに食の教育をするという意識をどう取り戻すかという手立ても必要なのではないかと考える。





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最終更新日  2004年07月18日 04時03分14秒
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