カテゴリ:美容・ファッション
小学生の頃はそうでもなかったが、中学生くらいになると、 自分の母親が「美容師」である、というのは同年代の女の子に羨ましがられた。 それは高校・大学と進学しても同じであった。 母親が美容師というと、 頻繁に髪型や髪の色なんかをいじってもらえると思われているらしい。 けれど実際はそうでもないのである。 ここに、母親が美容師という実態をレポートしたい。 母に髪をいじってもらっている最初の記憶は、恐らく4歳くらいの時のものである。 夜、母に前髪を切ってもらっていた。 切った前髪を受けるために、私は広告を自分のあごにひっつけて持っている。 すると、ひやりという感触をまぶたに感じた。 その直後、 「いや!まぶた切ぃよった!!」 間一髪、私のまぶたは無事だったが、とてつもない恐怖を感じた一瞬だった。 今でもあの時のことを母は、 「らむのみみはまぶたが腫れとったけん」 とカラカラ笑いながら言う。 確かに当時、私のまぶたは生まれつきはれていたが、 美容師よ はさみでまぶたを挟む前に気づいてくれ 小・中学生の頃は良かったように思う。 三つ編みや編み込みを、毎日しかもきれいに手早くしてくれる。 いつもきっちりとした髪型で学校に行くことが出来た。 けれど・・・ その頃、髪型の選択権は私にはなかった。 大抵おかっぱか、肩胛骨くらいまでの長さで、前髪はぱっつん。 姉はその選択権のなさに嫌気がさして、 早々に若い人向けの美容室へお小遣いで通っていた。 さらに髪を触ることに慣れているが故に ブラシでのとかし方や、髪の束の持ち方が乱暴で、いつも痛かった・・・(T_T) 「痛い」 と訴えると、 「お客さんは何も言えへん、我慢しぃ」 と言われる(T_T) それって・・・ 「お客さんも痛いと思ってるけど言えないだけじゃぁ・・・」 と心の中でいつも思っていた。 けれど、中学校も上に上がって行くにつれ、三つ編みなどはしてくれなくなっていく。 自分のことは自分でするというのが当然なので、 そういう教育的配慮があったのかもしれない。 ちなみに、小学3年生の夏休み、母はパーマの練習がしたかったらしく、 私を練習台にした 小さいとき私は、規則を破ることにとても抵抗があったので、 どうしよう、登校日、どうしよう!!! と焦った。 登校日はちゃんと三つ編みしてもらった。 高校生になると、少し髪型の要求は聞いてくれるようになった。 けれど相変わらず「清楚」な髪型のみである。 私が高校生の時、「シャギー」なるカットが流行ったのだが、 母は決してシャギーを施してはくれなかった。 清楚に見えないからという理由で_| ̄|○ ある時、毛先がばらばらになってきていたので、毛先だけ揃えてもらうことになった。 しかし・・・ 私は疲れて寝ていたのだが、起きてみると ロングだった私の髪がショートになっている! 私は昔からショートカットが似合わない。 しかもその頃、クラスに好きな男の子がいたのだ。 ものすごくショックで、あのときはとても怒った。 今思えば下らないが、ショートカットが似合わない余り、 その翌朝は泣きながら登校準備をした。 それを見かねた父が、 当時壊れていたビデオデッキを新しく買ってくれると約束してくれた。 らっきー♪ 大学・大学院と県外で一人暮らしをしたので、このとき初めて 「自分の家以外の美容室」 に行くことになった。 初めての時はものすごく緊張した。 そして、 美容師のお兄さんお姉さんのあの 軽快なトークに、ものすごく疲れた_| ̄|○ もうちょっとこうしてほしいな・・・と思っても、気軽に言えない・・・。 でも、髪型のカタログなんかを持って行くと、 ちゃんとそのカタログ通りにしてくれる 私はこのことにとても驚いた。 母に「これと同じ髪型にして」と言ってカタログを見せる。 ほとんど見ずに 「はいはい、わかった」 と言う。それ以前に、ちらりと見て、 「こんなんアカン!もっと清楚なんにしー!」とも言われる。 で、母が認めた髪型であっても、ちらりとしか見ていないので、 同じ髪型になるはずがない_| ̄|○ 何度母と、 「写真と全然違う!!」 「一緒じゃ!」 という押し問答を繰り返したことか。 当然その時は、カタログのモデルさんと、私の顔の相違はそっちのけである。 そんなこんなで今年、徳島に戻ってきて、再び母美容師のお世話になっている。 ちなみに、ぴもお世話になっているが、ぴの髪はキレイに切ってくれている。 ウマイと思う。 観察していると、ぴの髪を切るときはとても真剣である。 私の髪をいじるときは、あれやこれやと喋ったり笑ったりして、 なんだか真剣みに欠ける。 この間も切ってもらったが、左右の長さがちょっと違った・・・。 お出かけするとき、髪を巻いてもらったらサザエさんになった。 娘の髪はどうでもいいのである・・・。 母は中学を卒業して、すぐに大阪の美容室に住み込みで働きに行ったので、 美容師としての年期は、かなり入っている。 美容室を開こうと思ったら、美容師の免許の上に、美容室開業の為の資格も必要だ。 そんな母なので、例えば私が前日トリートメントの最中に寝てしまって、 規定の時間よりも長くトリートメントしていたような場合、 「昨日トリートメントの時間置きすぎただろ」 と、見ただけでバレる。 そして、触っただけで、 「○○(美容室でしか売っていないシャンプー)、使わんかっただろ」 とバレてしまう。 すごい専門性である。 そしてその専門性のおかげか、60近くして母に白髪はない。 髪の洗い方一つ取っても、違うのかもしれない。 そして時々道行く人の髪を見て、「傷んどる」とボソッと言う。 「うちの店きたらきれーきれーにトリートメントしたげるのに」 だそうである。 そんな営業熱心な(?)母。 最近のブームは、「名刺の裏にスタンプカード」である。 スタンプを集めると、1000円引き。 美容室で取られるお金のほとんどは「技術料」なので、 1000円引きにしても赤字になるなんてことはない。 そのスタンプカードを始めてから、 お客さんがお店に来てくれる頻度が上がったらしい。 何でもスタンプを集めるのが嬉しいそうで。 押しているスタンプは、私が持っていた「ねこの顔」スタンプである。 取られた。 そして、名刺兼スタンプカードを作っているのも私である。 しかも季節毎に、「新しいスタンプカード作って~」と言われるのでゴソゴソ作る。 そのために実家に帰ると、父のインテリア店の広告や、 料金表やらなんやら、いっぱい作らされる。 娘は雑用係である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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