東京モーターショーの衰退に見るインバウンドの変化
第41回東京モーターショーが1024-1104で開催されます。しかし、前回の07年の開催からたった2年で大きく衰退してしまいました。一番大きな出来事は、外国メーカーの出展が事実上0社だからです。正確には、英国のロータス社と独のアルピナ社が出展するけど、メジャーなメーカーと違って、ごく一部のファンのための車を作っているような弱小メーカーなので、一般人にはあまり関係ありません。春に行われた上海モーターショーの際に、メルセデスベンツの担当者の方から、「多分、東京には出展しないかもしれない、、、」という話しを聞いた時には、ピンと来てませんでしたが、こうして開催内容が発表されると、、、やはりショックです。つまり、もはや国際モーターショーではない、ということです。事実上は、国内用のモーターショー。アジア最大最高の国際モーターショーとしての地位は完全に中国に明け渡しています。 【上海】 【東京】会場面積 17万平方メートル 2.12万平方メートル出展社数 1500社 108社(部品メーカー含む)抜かれた、、、どころの話しではなく、もう、完全に別物のレベルと言っていいほどの差が開いたわけです。中国がアメリカを抜いて、世界最大の自動車市場になったことを示しています。07年までは、車好きの中国人の知人たちが、東京モーターショーには必ず足を運んでたけど、「今年はもう行かない」というのも十分に頷けます。来る必要がないでしょう。「それより、オートバックスとかイエローハットに行きたい」と。日本の自動車関連商品が魅力的なのでよう。これからは完全に逆になりました。最新のあるいは未来の自動車を見たいなら、上海や北京、広州のモーターショーに日本人が足を運ぶ番です。そういう意味では、日本としては外国人観光客を呼び込む、インバウンドの大きなコンテンツをひとつ失ったのと同じです。===また、銀座の世界の有名ブランドショップも少しずつだけど、撤退が始まっています。変わりに上海に出展したり、規模を拡大しています。実際に同じブランドショップを銀座と上海で店舗を比べて見るとわかります。かつては、銀座にしかない商品があって、外国人はそれを目当てにやってきましたが、現在は、上海にしかない商品が増えてきて、それを買うために、日本人客が上海に行くのです。(私自身も買う時は上海で買ってます:笑)現実に銀座に勤める日本有数の企業の20代の女性たち(知人)は、3ヶ月に一度は上海に買い物に行ってます。(2泊3日の弾丸ツアーですが、近いので問題なしとのこと)だから間もなく、銀座の有名ブランド店も、インバウンドのコンテンツではなくなるでしょう。現実に現在レジャ研では、中国人ツアーの訪日ツアーの内容の企画を頼まれて作成中なんですが、中国企業の担当者から「銀座は、、、もう入れなくていいです」というオーダーもあります。「有名ブランドショップは上海にあるから必要ない。それより吉田カバンを買いたい」と。「代官山とか吉祥寺を歩いてみたい」とか。どんどん変化します。===変化を知るのに、東京だけ、日本だけにいても差ほど大きな差を実感することはできません。このように東京と比較するなら上海を見てみることで、その差がどのくらいのものなのか?ようやく把握できるわけです。ネットで得られる情報は、全員が同じだから、それで他社と差をつけようとしても無理ですね。実際に行って見ないと。変化に対応したビジネスをしたいならそうなります。