台湾に学ぶ観光おもてなし術「外国人客に親切なプリペイドSIMの販売」
今年に入ってさらに進む円安の影響で、訪日外国人観光客が増えて来ました。それはそれで喜ばしいこと。好調な時にこそ、インバウンド先進国に学ぼうということで、今年は、観光関連に携わる日本人をアテンドして視察研修をしています。今回は台湾です。面積はおよそ九州と同じ。しかしながら外国人観光客は約600万人を超えます。なので、観光産業の視点では学びの宝庫です。同時に、欧米からみれば「日本と台湾どっちに行こうか?」と比較されることもあるので、ある意味では観光業のライバルでもあります。また、台湾人観光客を日本に誘致し続けるためにも、現地ではどんなサービスがあるのか?良いのか?を把握しておくのも大事なことです。ここでは「通信事情」を取り上げたいと思います。私たち日本人観光客も、外国旅行する際にはほとんどの人がスマホを持参します。ご存知のよう日本のキャリアのスマホは「SIMロック」がかかっていて、外国に行った際に、現地で販売しているSIMカードを入れることができません。だから外国で電話をしたりメールやFacebookやLINEを使おうと思ったら出国する前に成田空港などで「モバイルWifiルーター」のような海外用の通信機器をレンタルしなければなりません。使用料金は、行き先(外国)によりけりですが、700-800円/1日くらいの相場です。一週間なら約5,000円で、それに保険料などを合わせれば一万円に近くなるのが現実でしょう。これは日本に来る外国人にとっても同じです。日本国内で自由にスマホを使うにはレンタルするしかありません。外国人客をアテンドする際に、「こんなものを借りなきゃならないのか!」と言われたことは多々あります(汗)。一方、台湾の場合は違います。羽田空港から台湾の松山空港に到着すると、到着ロビーに中華電信のカウンターがあります。ここで現地用の「プリペイドSIM」と購入しました。3G対応で7日間使い放題です。現地価格で450元。日本円では約1,500円です。私が使用している携帯電話(スマホ)はイー・モバイルなのでSIMフリーです。(海外の仕事が多いのでイーモバイルにしています)カウンターでパスポートを提示して料金を支払うと中華電信のスタッフが、すぐにその場でスマホSIMカードを差換えてくれました。それで簡単に使い方を教えてもらって、手続きは終わりです。スマホの電源を入れるといつも通り、FacebookやLINEが使えました。特にLINEがあるので、日本との連絡はチャットでも音声会話でも全く問題ありません。これがもし、日本のキャリアのSIMロックのスマホの場合は日本から持参したWifiルーターと2つ持ち歩かなくてはなりません。おまけにモバイルとは言ってもWifiルーターのバッテリーは保ってもせいぜい4-5時間です。常にバッテリーの残量を気にしなければなりません。このように、外国人観光客の立場に立ってみると、スマホ時代には特にその国の通信事情が重要になってくることがわかります。(スマホでできることが増えて行くから…)日本各地で無料Wifiの設備の整備が進んではいますが、移動する度にその場所の無料Wifiの登録が必要でいちいち「IDを取得してパスワードを設定する」手間を考えるとやはりプリペイドSIMが使える方に軍配があがります。(圧倒的に…)何しろ通信がラクでした。(日常と変わらない感覚)観光中、少しでもわからないことや道に迷うことがあれば、グーグル・マップにアクセスしてましたし、現地のHPで住所を確認することもとても簡単でした。宿泊先のホテルのFacebookを登録しておいて、道中に困ったことがあるとすぐに連絡することができました。通信ストレスがないと、結果として行動範囲が広かり買物や食事の機会も増えるものです。(欲しい物や店を探せる、食べたい店に行ける)今後の日本の最重要課題として、まずは外国人旅行者用のプリペイドSIMをさらに購入しやすくするべきでしょう。現在でも、b-mobileなどで販売していますが、一ヶ月のプリペイドで値段も3,000円以上です。一週間単位の商品も必要です。また販売店も限られていて、一般の外国人旅行者はなかなか買うことができません。台湾のように空港の到着ロビーで購入できるようにするべきでしょう。(それに関する規制があるなら改革して頂きたい)改めて「通信インフラはサービスである」ことを実感する視察でした。そして、その重要度はスマホの進化に合わせて増すばかりです。通信速度競争もいいけど、さらに真剣にグローバル化を進めて欲しいものです。★レジャーサービス研究所のホームページ★【送料無料選択可!】ディズニーランドであった心温まる物語 (単行本・ムック) / 香取貴信/監修...価格:1,365円(税込、送料別)