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レジャーサービス研究所(東京&上海)

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2009/12/27
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カテゴリ:講演会・セミナー


年末最後の日曜勉強会に参加
有志で集まり始めて、早15年

今日は、9時間の長丁場でした(汗)。

前半は、メンバーの今年一年の実績と現状の課題を一人ずつ発表し、
それを14人のメンバーが徹底的に指摘します。

これが毎回かなりヘビーですが、
お互いに貴重な意見だ、と思っている人たちだから続いているわけです。

後半は、ゲストを呼んでブチセミナーです。
とは言っても、参加者が少ないだけで、3hも話を聞いて質問して意見するので
その中身はとても濃い。

今回は、中国と日本で複数の会社を経営する周さんがゲスト。
フランス人の妻を持ち、日本とアメリカに留学経験あり。
近年はテレビ番組制作プロダクションや雑誌社の顧問もしている、とあって、
その話題はユニークに感じました。

印象に残ったのは、AKB48の話。

周氏は、特別日本に興味があったわけではなく、
どちらかといえば、欧米に憧れていた。
それでアメリカに留学をした。
短期ではフランスにも。
その他、欧州の旅行も。

その際に、日本の文化の伝わり方に興味を抱いた。
中国の場合、その対象が過去の歴史がほとんどなのに対して、
日本の場合は、現在の文化に興味を持つ欧州人が多かった。


初めは嫉妬だった。
そして、その興味は次第に大きくなり、日本への留学を決意。

驚いたことは、中国や韓国のように政府主導の国策で手を打ったものではなく
好きな人たちが勝手にやっていることが、
海外で珍しいこととなり、自然に伝わっていること。

自然に伝わっていくものこそ本物だと理解するようになった。

~~~

今年、パリで行われたジャパン・エキスポに行って、
初めてAKB48を見ました。

テレビで見て知ってたけど、何が良いのか?わからなかった。
パリの会場でAKB48が登場すると、その人気の秘密がわかったような気がしました。

何と言っても可愛い。
関係者の計らいで楽屋でもお会いしたが、元気でマナーが良い。
あの可愛さは、他国のタレントでは出せない。

中国でも無理です。
もっとわざとらしくなってしまう。
何か一度きりの大イベントならできるかもしれないけど、
これを続けることが難しい。

衣装のデザインも、オリジナリティがある。
女子高生の制服をイメージさせる範囲で巧みにデザインされています。

仕事柄最も驚いたのは、あのダンスの振付けです。
バレーやジャズダンスのようなバックボーンもない、単なる素人が踊れる範囲の振付けで、
元気に明るく見えるように振付けられていました。


これは凄いな、と思ったわけです。
これらを真似ることはできても、何も無い状態でいちから企画して実現できるのは
日本の文化の凄さです。

まさに最先端だと思ったわけです。
フランスや中国のように、歴史を売り物にしているとできないことです。

中国人でも世界中で活躍しているタレントはいます。
しかし、ジャッキー・チェンもチャン・ツー・イーにしても、
多かれ少なかれ映画の中では、カンフーなど中国の歴史文化を彷彿させることで
成功しました。

チャン・イー・モー監督もしかり。

しかし、
AKB48は、別に日本の歴史文化を感じさせるものではありません。
日本人アーティスト、タレントは、アジアでもこの点で珍しい存在です。

戦後の経済成長が早かったお陰で、
タレントやアーティストが海外に出稼ぎをする必要がなかったことが影響しています。

多くのアジアのタレントたちは、多かれ少なかれ日本に出稼ぎに来ていました。
間接的にも、ジャッキー・チェンですら三菱自動車のバックアップがあったから
あれほどまでの有名人になることができたのです。

チャン・ツー・イーにしても、SONY PICTURESのバックボーンがなければ
あれほどにはならなかったでしょう。

対して、日本のタレントは、別に海外を目指す必要がないわけです。
国内で十分に食べて行けます。

すると、無理して日本の歴史や文化を強調した歌や踊りをしなくてもいい。
国内文化の中で、どのようにして個性を出すか?
という点に集中してきたからこそ生まれて来たものばかりなのです。

そして、それらは海外から見れば凄くオリジナリティが高い。
(好き嫌いは別として)

海外を意識し過ぎなかったことが、
現代のジャパン・カルチャーの人気の原因だと思います。
近年のハリウッド映画、中国映画は海外を意識し過ぎです。

インバウンドのビジネスに関わる人たちは、
この点に注意をしなければなりません。

対応自体はしっかりやらなければなりません。
しかし、文化、商品開発は、意識し過ぎないことも重要なのです。

===

先月、娘が久々に日本の私のマンションに来ました。

その後、北京に一緒に帰国するなり
「日本でテレビを買って来て欲しい」と言い出したのです。

北京のマンションにもフルハイビジョンのテレビがあります。
日本の部屋にあるものとメーカー(日系)も同じものです。

だから「なぜ?」と尋ねると、
「日本のテレビの方が遥かにきれいだった」と。

そんなはずはない。
ハードは同じです。

しかし、よく考えてみれば答えはすぐにわかります。
「映像の差」なのです。

日本のテレビ局は、その映像造りは世界一きれいです。
残念ながら中国のテレビ局はまだそれほどの画質になっていません。

中国に行ったことのある人は、わかると思いますが、
ドラマの途中のCMになると、いきなりボリュームが大きくなって驚きます。

番組ごとに画質も音量も違うことは珍しくありません。
つまり、まだフルハイビジョンを活かせるほどの映像が配給されていないのが
現実です。

だから、DVDを見ると「きれいだな」と実感できますが、
日本では、日常の番組自体がきれいです。

このように日本の場合は、フルハイビジョンのテレビを買って、
その性能の恩恵を100%体験できるわけです。

実は、こうした社会インフラの差も、コンテンツ造りに影響を与えているのです。

AKB48のあの可愛らしい衣装は、
高画質の番組だからこそ引き立つし、
高画質で品質の高い女性誌だからこそ、きれいに可愛くみえる。

だから、より可愛い、きれいな衣装、メイク、ヘアスタイルに進化させようと努力します。

一般人の生活に密着して進化した文化の強みでしょう。

こういうことの積み上げが、
世界でも突出したジャパン・カルチャーを支えているのだと思います。

パリコレのモデルと衣装を見て、真似してみよう
と思う人は、まず稀でしょう。
感動に涙を流すこともありません。
自分とは関係ないものだからです。

しかし、AKB48は自分たちサイズの文化なのです。

パリコレで有名なはずのパリっ子たちが、
AKB48のステージを見て
可愛過ぎる、、、」と涙を流すのを見て、そんなことを考えたのです。








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Last updated  2009/12/29 11:11:02 PM
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