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レジャーサービス研究所(東京&上海)

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2012/07/24
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カテゴリ:教育・研修
おもてなしをローカルフィットさせる技術

先日、「日本流のおもてなしサービスマインドを育成します!」
という勢いある企業の方と会いました。
聞けば中国で教育研修事業を拡大していきたいので、
協力できないか?ということでした。

結論から言えば、考え方の相違が大きくて、まだご一緒できる時期ではないなと思いました。

そもそも「おもてなし」とは何か?明確に答えられるのだろうか?
それがあやふやではやっぱり伝われないもの。

そういう私自身、
かつては中国人の接客サービスを見るために「ひどいな」と思っていた時期があります。
売店では、座ったままで接客するのは序の口で、
そのままカップ麺を食べてたり、電話しながら接客したり、、、。

それだけを切り取ってみれば「日本の接客の方が素晴らしい!」ということです。

しかし、2003年くらいになると現地の店舗や施設でOJTをするようになってきて、
「ひどい見える接客には理由がある」ことに気づくようになります。

それは店の後ろに休憩室もなければ事務所もない。
ショッピングモールでも、従業員用の休憩室とか完備されていないところばかり。
おまけに朝の8:00から夜の8:00まで12時間勤務で交代要員はいない。
(だから現場で食事するしかない。私用電話もOKとなる)
ユニフォームもシャツ一枚だけ会社から支給されて、あとは自宅で洗濯。
休日は月に2~4日間、、、という環境なのです。

街中で見かける多くの店員はそんな状況で働いているということに気づいてくると、
単純に日本のおもてなしがどうのこうの、、、なぁーんて比較してる場合じゃないとわかります。
ましてや日本流をそのまま持ち込むなどできるはずもありません。

そもそも、人材教育(特に研修)はそれ単体ではほとんど効果ありません。
人事制度や給与体系、労働環境との連動性がなければ単なる「イベント」でしかないのです。

日本の多くの従業員の接客サービスが素晴らしいのは、
その人事制度、給与体系、それに労働環境があるからです。
それはもう中国とは比較にならないくらいに素晴らしいものです。

90分経過すると交代要員が来て、エアコンの効いた部屋室で休憩する。
労働時間が7時間30分を超えたら残業代が付く、、、とか。
ユニフォームは会社が用意してくれるし、場合によっては靴も。
さらにクリーニングもしてくれる、、、というよに世界最高の待遇が整っています。
給与も、本部にいる同年代の大卒社員とたいして変わらない。
(せいぜい80%はもらえる)
(中国ならせいぜい1/3とか1/4くらい)

逆に、中国でこれと同じ環境を全て与えるとどうなるのか?
実は、すぐに日本と同じレベルになります。
場合によっては、語学力が高い分良い接客ができるので、
日本を超えることも十分に可能なのです。

おもてなしを輸出する場合、まず取り組まなければならないことは、
こうした環境の違いを把握することです。
そして、その環境下で必要な接客サービスを考えて、教育カリキュラムを設計するべきです。
いきなり教育研修をしても意味がないのです。

メーカーの商品は、どんどんローカルフィットが進んでいます。
現地の風習に合わせた機能を搭載して、より便利に使いやすくするわけです。
(逆に余分な機能は捨てます)

タイのオークラホテル

接客サービスも同じで、現地の客に合った接客とそれを実現するために
最低限必要なスタッフの労働環境を整えながら、、、ローカルフィットさせていくのです。

そして、それを実践していくには、
オフィスにいないで街に出て視察しなければなりません。
パソコンの中には答えは入ってないですから。
(なんとかビジネススクールにもない)

そんな話をしました。

===
現在、執筆中の小冊子より一部抜粋しました。

===
↓ポッドキャストを追加しました。
おもてなしをローカルフィットさせるスキルとは?





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Last updated  2012/08/01 09:10:08 AM
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