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レジャーサービス研究所(東京&上海)

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2012/08/01
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カテゴリ:教育・研修


かつて私は「精神主義」は大事だと思っていました。
しかし、コンサルタントになって勉強していくにつれ、
「一所懸命」とか「おもてなしの心で」という精神主義的なものと
徐々に距離を置くようになりました。

きっかけは、第二次世界大戦の勉強をしなさいと当時の師匠に言われて
貪るように本を読むようになってからです。

改めて当時の日本軍の精神主義に驚きました。
武器もろくに開発しない、または揃ってないのに
「全機出撃!」とか威勢のいい号令ばかりで、
事前の作戦や準備が組織の都合や人事の都合で不備だらけ。
アメリカに負けたとは言うものの、
原因の半分くらいは「自業自得」だったことに気が付いたからです。

無数にある原因をまとめれば
「優先順位を決めない」つまり「幕の内弁当的」発想が、
あらゆる場面で行われていました。

偵察機のパイロットに対して、
「敵艦隊を発見したら全速力で帰還せよ」という命令でいいものを、
「もしできれば、爆撃したら尚よい」とか
「しかし同時に天皇からの預かり物である機体に被害を受けてはならん」
と、いざ出陣になるとそれぞれの上官があれこれ少しずつ「追加注文」をするわけです。
これには参ったと言う当時のパイロット証言がありました。

これは現代の日本企業でもあまり変わってないなと思います。

戦闘機に搭載される機関銃も、
7.7mmと12.7mmと20mmの三種類も積まれてしまう有様で、
それぞれ飛距離も違うし弾道も違うから、
うまく当てられるようになるにはその分訓練時間は多くなります。
当然、弾薬も三種類搭載しなければなりませんでした。

対してアメリカはこの戦闘機に搭載するのは全て「12.7mm」に統一!
と決めてしまって、それを徹底的に訓練して来ます。

空中戦で、どちらが有利かは明らかです。

加えて、「あとは現場で何とかする」という上官の命令で、
300時間しか訓練していないパイロットが次々と戦地に送られてしまいました。

対するアメリカは600時間、700時間訓練してくるわけで、
日本の未熟なパイロットはミスを連発して逃げ惑うばかりで、
「マリアナの七面鳥打ち」と言われるほど迎撃されてしまったのです。

なんともメチャメチャな話ですが事実です。

あれもこれもと欲張るが、実は準備は適当で
「あとは精神力で、、、」「お国のために頑張れ!」という命令なのか?励ましなのか?
何しろそれらをうまくミックスして、「具体的な作戦」もなく「あいまいな命令」によって
多くの若者の命が失われたわけです。

ある戦争経験者の方からは、「精神力というのは本当に一番最後の部分で、
その手前のやることがある。最初から精神を押し付けてはダメ」
という教訓は教えて下さいました。

これはサービス業の現場でも、まだ行われています。
(ある意味で「何も変わってない」のかもしれません)

それ以来、現場の仕事を手伝う際には、必ず「優先順位」を決めるようにしています。
クライアントと事前に確認するわけですが、
やっぱり「幕の内弁当」が多い(汗)。

優先順位を決めるのが管理職の仕事のはずが、責任を回避したい「本能」から
指示命令が「幕の内弁当化」してしまうのです。

十分な準備と人員を確保しないで、
「そこをなんとかするのが現場の心意気」とばかりにスタッフを煽ります。

そういう担当者から来るオーダーは、
「何しろスタッフのやる気がない。
気持ちを鼓動するような感動する話をお願いします」という感じです。

それで「できればディズニーランドの話をお願いします」という展開になるんですが、
ディズニーランドは、まさに前出のアメリカ軍と同じで、
十分な人員とそのトレーニングに完全に整備された施設があるわけで、
その前提があって、初めて素晴らしい運営サービスを実施しているので
部分的に話してもあまり参考になりませんよ、と断ります。
(ますは同じレベルで準備しましょう、それが大事です)

ディズニーランドのスタッフのモチベーションのことばかりクローズアップされるますが、
実はこうした環境の違いが語られないのは、
かつての(日本軍)二の舞みたいで嫌な気分がします。

現場のサービス指導でも、
使いやすいから「おもてなし」の話から入ってしまいがちですが、
それは一番最後の精神の部分で、
その手前をしっかりトレーニングしなければなりません。

その地域、その業種に合うサービスをするには、
いきなりスタッフのモチベーションの話は必要なくて
まずは準備(人員や物資など)をする。そして、仕事の優先順位を決めてあげる。
優先順位が決まっていれば、皆、それなりに活躍できるものです。








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Last updated  2012/08/01 09:46:09 AM
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