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レジャーサービス研究所(東京&上海)

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2014/09/07
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カテゴリ:インバウンド対策
14年間、中国で企業の従業員研修を続けてみると、
「変わったなぁ」とシミジミすることが多々あります。
その1つは「音楽」です。

私は研修の際の実習や休憩時間にどんな音楽を流すか?
いつも考えていて、それなりにあれこれ準備します。
中国の地域や受講者の年齢層によって使い分けます。
(今まで色々実験してきました)

かつてよくあったのは、
例えば中島美嘉さんの「雪の華」を休憩時間に流していると、、、
「この歌は中国の○○の歌だよ。日本でも流行っているの?」
と聞いてくる生徒がいました(笑)。

本当は中国人歌手が中島美嘉さんをカバーして歌っているんですが、
「カバー」というフリップが付いてないことが多いから
聞いている人たちは知らないことが多々ありました。

それで「こっちが本物だよ」と教えると、
「ガーン!!!」、、、となったりして、少々可哀想でした。

最近は、そうした歌詞のあるポップスは流さないで、
ジャズ・フュージョンのインストメンタルを流すようにしています。
特に多いのがcasiopeaなど。

すると3日間の研修が終了する頃、
「先生が研修中に使っていた曲名とアーティスト名を教えて下さい」
とか、もっとシンプルに
「これいつ頃の音楽なんですか?シンプルで素晴らしい!」とか、
「使ってた音楽のCDを貸して下さい」
とやって来ます(笑)。

「ちなみにCDは約30年位前のものだよ」
「演奏者は20代前半」と教えると、
これまた 「ガーン!!!」 と驚きます。

「日本では30年も前からそういう曲が流行っていたんだ。凄いな!」
「こんなに若いのに素晴らしい演奏だ」と。

少し前までは中国のどの地域に行っても
「何でもかんでもタダでコピー」で済ませていた人がほとんどでした。

しかし、最近は耳が肥えて来た人たちも増えてきて、
「本物のCDが欲しい」「もっと良い音で聞きたい」
という言葉を耳にするようになりました。

そんなシーンを眺めていた中国企業のある社長が、
「何だかんだ言っても、他のアジア諸国に比べれば
まだまだミュージシャンが稼げる市場なので
その分、目指す人々が多く、個性的な音楽が多いから魅力的なんですよ。
中国は何でもコピーになってしまうから目指す人が少ない。
売れっ子もうまく外国の音楽をパクって少しアレンジして、、、
というパターンがまだまだ多いんです」と話してくれました。

日本はアジアの音楽大国を言われる所以は、
アメリカと並んでCDやDVDが正規価格で売れる市場だからです。
不正が多いと頑張っても商売にならないから本物が育たない、、、
まさに中国のこれからの課題が音楽産業にも現れています。

IT産業は追いつくのが比較的簡単だったけど、
ソフト産業は苦戦しています。

これは「人材を育成しろ!」という政府の号令では不可能で、
「コピーするな!盗むな!」という道徳教育が必要になります。

単なる金持ち社会を作るだけなら
真似たり盗んだりして、捕まらなければOKの社会で
何とかなるけど、
人々が各自の得意なことで食べていけるような
「心の豊かさ」経済に移行しようと思えば、
進路変更を迫られるわけです。

毎回、現地の研修の最後に
「一番印象に残っている話しは何か?」と聞くと、
たいていこの「音楽にまつわるソフト化経済社会」という答えが返って来ます。

中国全土でどうなるのか?は想像もつきませんが、
せめて研修に参加してくれた彼ら彼女たちがどう変化するのか?できるのか?
見守って行きたいと思います。

===

それで、後日この方たちが訪日旅行した時には、
ちゃんとCDショップで買ってくれるようになったのは
嬉しい限りです!

レジャーサービス研究所のホームページ

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Last updated  2014/09/07 06:24:06 PM
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