外国で日本メーカーのテレビを買ってもらう方法とは?
昨年知り合った中国の不動産投資会社の幹部が訪日しました。今回で4回目です。現在は、ホテル業に積極投資していてホテル・旅館や温泉の視察でした。世界中に高級ホテルはいくらでもありますが、こと「水回り」のクオリティは圧倒的に日本がリードしているからです。水回りは、トイレ、バス、洗面所、シャワーから温泉施設まで広域です。最近は、これに「空調」も加わるようになりました。PM2.5の影響で少しでも部屋の空気をきれいに…という要求が高まっているからです。私たちの役割は、日本でも水回りが好評なホテルや旅館を選び出しておいて、視察ルートに組み込みます。すると、帰国後にホテルの水回り設備は日本製を発注するようになります。さらに「もうひと工夫」をします。視察候補のホテルを選ぶ時のもう一つの基準は、「客室のテレビが日本メーカーである」ことです。彼ら彼女たちが日本に滞在中、毎日ホテルでテレビをつけて、その度に「日本メーカーのテレビは本当にきれいだ。素晴らしい!」「どの番組を観てもDVDより美しい画質だ!」とか実感するわけです。実はこの美しさはテレビの画質の問題だけではなくて、日本の「ハイビジョン放送」のお陰です。いずれにしろこの体験の影響で自分たちのホテルの客室のテレビも「日本メーカーにしよう」となる確率が高いのです。中国をはじめ諸外国では、まだまだ日本のハイビジョンほどの高画質の放送が始まっていない地域が多々あります。(まだSD画質が多い)だから、実際に一般のテレビ放送を観ている分には、それほど画質の美しさを実感することはできません。(中国のホテルでも同様です)DVDやブルーレイで映画を観る時に美しさを味わうことができます。しかし日本に来ればほとんどがハイビジョン放送なので「テレビのデモンストレーションの場」としてもホテルは効果的なのです。中国現地の量販店なんかで、サムスン、LGのテレビを並んでソニー、東芝製のテレビが売られています。それで「よく観てください。ソニーの画質はきれいなんです」と説明したところで、パッと見は素人にはわかりづらい違いです。だから似たような画質なら少しでも安い方を買おう…となります。しかし、滞在中のホテルで圧倒的な画質の違いを実感すると購買意欲が高くなります。さすがにテレビは秋葉原で買って中国に持ち帰るわけにはいかないので、帰国後に買うわけです。ちなみに、この中国企業ではすでに開業している各地のホテルの客室のテレビを約2,000台を日本メーカーのテレビにしました。そういう意味では日本のホテルは日本メーカーにとっては「巨大なショールームになる」わけです。外国人観光客が年間1,000万人を超えるとその役割は益々大きくなるはずです。★レジャーサービス研究所のホームページ★