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「ひきこもり」
なんとも香ばしい香りのすることばだ。 もう、負の匂いがプンプン匂ってきて、鼻をつまんでも、脳を刺激する気がしてしまう。 最近幅を利かせている「NEET(ニート)」なんて、太刀打ちできないぐらい、 言葉自体が、「再起不能」と同じくらいダークな感じに覆われている。 しかし、私自身、結構「ひきこもり」の要素をふくんだ人間であることはたしかである。 北海道を「ひきこもり」の先端として、沖縄を「社交的で協調性のある」土地だと仮定するならば、 私は福島県あたりに住んでいるのであろうと想像できる。 かなり「ひきこもり」寄りである。 私見によれば、「ひきこもり」3種の神器は、 1.ネットゲーム 2.同人誌 3.アニメ であると思う。幸いなことに、私にあてはまるものはひとつもない(本当です)。 まあ、これは偏見にまみれた見方ではあるし、 個人の資質で「ひきこもり」になってしまうこともあれば、 社会のゆがみの犠牲者としての「ひきこもり」のありうることなので、 一概には、上記の3種の神器が正しいとは言い切れないが・・・ もはや「ひきこもり」「不登校」を「気合でなおせ!」の時代は終わったような気がする。 少し前の時代であれば「学校に行きたくないのは、お前の気合が足らんからじゃー!!!」なんて、 頑固おやじの怒声が飛んだものだったが、 今の時代では「なぜ行きたくないのかな?話してごらん?」と、 優しいスクールカウンセラーが話しかけてくれる。 こんなんでいいのかな? 別に私は根性信奉者ではないので、前近代的な「気合でなおせ」には違和感を感じるのだが、 現在行われているような、はれ物に触るような対応にも首を傾げたくなる。 だからといって、いい代替案があるわけではなく、ここで何かを提案したいわけではない。 しかし、今の世の中は「ひきこもり」を社会が生み出した病理として扱っているようにしか見えない。 「病理」とは「正常」のほぼ対義語であり(正確な対義語は「異常」)、 「ひきこもり」を病気の一つのように扱っている節がある。 「病気」とは、 生体がその形態や生理・精神機能に障害を起こし、苦痛や不快感を伴い、健康な日常生活を営めない状態。 医療の対象。疾病(しつぺい)。やまい。 であり、正常に戻すために治療をしないといけない対象である。 「異常」を「正常」に直してあげるという考え方は、 「正常」側の言い分であって、 これはアメリカの正義-悪の二項対立の考え方に相通じるところがある。 「悪を裁く」というのは「正義」を確立する上で必要不可欠な行為であり、 「正義」をより際立たせるための舞台装置に他ならない。 これと同じく「異常を治す」というのは「正常」を際立たせるための手段なのであり、 「正常」側が正しいのだと証明する唯一の手段なのである。 たしかに変動する社会についていくことができるほうがどちらかといえば「正常」なのであろうが、 だからといって社会についていけない人々を「異常」という烙印を押して治療の対象にすることには、やはり違和感がある。 私たちが「正統派」であるということを主張するためだけに「ひきこもり」を異端扱いしているだけに過ぎないだろうか。 江戸時代の被差別民のように、社会に適応できない人々を最下層として設定し、 「ああはなりたくないな」という感情を、一般人に引き起こすために利用しているだけなのではないだろうか。 人間の本質的な部分ではどちらが「正常」かなんて判断できるわけもないのに・・・ 毎回最後にこんなことを言いますが、 べつに私は「ひきこもり」を擁護したいわけではありません(本当)。 たしかに「ひきこもり」よりの私としては、あまり異常者扱いはされたくないなという思いはありますが(異常者じゃないですよ)。 最後のほうは「朝まで生テレビ」風の論調になてしまったが、 ちょっとした「阿呆の暴走」ぐらいに受け取ってもらえればありがたいです。 ☆☆今回の参考資料☆☆ NHKにようこそ!(1) NHKにようこそ!(2) このマンガのNHKとは、N(日本)H(ひきこもり)K(協会)の略であり、某国営放送のことではありません。 「ひきこもり」の「ひきこもりの」ための「ひきこもり」によるマンガの最高峰(そんなマンガ他にはありませんが)。 「ひきこもり」予備軍のあなたも読むべきです。 がんじがらめのひきこもりの図 こんなに周りを囲んで、やっぱり怖いのかなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月01日 14時43分15秒
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