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私はクリーニング屋さんの近くで嗅ぐことのできる「蒸気臭」が好きだ。
あの匂いをかぐと、小学校1年生のときにすんでいた集合住宅を思い出す。 その集合住宅のすぐそばにクリーニング屋さんがあった。 特にその地においていい思い出があったわけではないが(悪い思い出も)、 「蒸気臭」は小学校1年生のころの「無垢」な自分を思い出すきっかけとなる。 皆さんも、こんな経験ありませんか。 人間は視覚・嗅覚・触覚・味覚・聴覚の五つの感覚でさまざまなものを知覚しています。 一般的には、現代になればなるほど人間は「視覚」「味覚」に偏重しがちで、 「聴覚」「嗅覚」は時代遅れの感覚になっているそうです。 これは、テレビでご丁寧なまでに「テロップ」が出るようになり(視覚に頼る)、 もうそれ無しでは、出演者が何をしゃべっているのか分からなくなっている(聴覚が退化?)今の状況からも分かるでしょう。 しかしそんな「退化しそうな」感覚である「嗅覚」は知覚器官が脳の近くにあるからなのか、 ダイレクトに脳を刺激する感覚なのではないでしょうか。 私は前にも書きましたが、「ぼや」を出したことがあります。 その直後の2ヶ月あまりは焦げ臭いにおいをかぐと、 ありありとその「ぼや」の状況が思い出されて不安になったりもしていました。 この経験と同じく、人間には「ある特定の匂い」をかぐと、 「それにまつわる記憶」が蘇ってくるという条件反射のような、デジャブのような、 かわった機能が付属されているようです。 蚊取り線香の匂い→優しかったおばあちゃんの家でのお泊りの思い出 草を刈ったばかりの青臭い匂い→野山を駆け回っていた少年時代の思い出 ヴェポラップの匂い→「熱あるの?」という母親の優しい声の思い出 ホットミルクの匂い→なんとなく不安で眠れなかったあの夜の思い出 カレーの匂い→楽しかったころの家族の思い出 カメムシの匂い→小学5年生のときの宿泊研修の思い出 夕立のときの地面から来る匂い→青春の思い出 シャンプーの香り→初恋の思い出 適当に例をあげるならこんなところか(枚挙に暇がありません)。 しかしなぜ、「嗅覚」によって蘇る記憶は強烈なのでしょうか。 想像ですが、 これは、「嗅覚」に呼び起こされる記憶と、「視覚」「聴覚」によるものとの頻度の違いからきているのでしょう。 皆さんもよくあるでしょう。 久しぶりに会う「いとこ」がものすごく成長しているのに驚くのに(上に伸びたり、横にふくらんでいたり・・・)、 いつも会っている友達の変化には気づきにくいことが。 「嗅覚によって蘇る記憶の強烈さ」は、これに近いのではないかと私はにらんでいます(にらんでいるだけですが)。 皆さんも、このような経験はあるでしょうか。 □□追記□□ でも、人間が「くさい」モノが結構好きなのはなぜでしょうか。 なにか、人間の「動物的資質」に関連している気がするが・・・ 臭いものに挑戦のページ 「臭い食材はもうたくさんだ日記」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月14日 04時02分38秒
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