カテゴリ:音楽
本当に美しいものは、汚いものの向こう側にある。
これは、ひとつの例ですが、結構的を射ている表現だと思う。 何が美しいかなんて、個々人の主観によるものであり、 万人に共通する客観的な指標なんてものはありえない。 しかし、私自身が26年間生きてきた中で、 今現在たどり着いているのが、上に挙げたような境地なのです。 たとえば北野武の映画が、とくに「ソナチネ」「その男、凶暴につき」などの評価が高いのは、 日常から遠く離れた存在であり、忌み嫌われている『暴力』というものを、 非常に純化させた状態で表現し、 「『暴力』→恐怖」という世間一般の認識から、 「『純化された暴力』→美」という新しい側面を提示したからなんだと思う。 説明が分かりにくいので、簡単に説明すれば、 何事も(良いものでも悪いものでも)、それを究極まで突き詰めていけば、 そこには、何か美しいものが潜んでいる。 それはまるで、人間にとって毒となる物質を、 不純物を取り除くなどして、純度100%にしたときに、 見事な結晶を見せてくれるのと同じように。 まだ分かりにくいかな? この例えがいいかは分かりませんが、 どんな職業の人でも、一生懸命働いている人は、 美しく見えるでしょ? それが医者であれ、教師であれ、やくざであれ、鳶であれ。 たぶん、美しいものと汚いものは、 紙で作った輪のようにつながっているものだと思う。 汚いものも極限までいくと、美しいものに昇華してしまうことがある。 分かったかな? ここに一人のアーティストがいる。 その人が作り出す音楽は、まさに狂気が作り上げた作品だといえる。 その人物の名前は「Aphex Twin」(エイフェックス・ツイン) 人々は彼の音楽を「狂気のリズム」「変態テクノ」などと、 蔑みつつも、賞賛のまなざしで受け入れている。 彼の音楽は、一言で言えば「狂っている」 常人の感覚では、聞いていると不安になってしまう。 しかし、「狂気」を煮詰めたような彼の音楽には、 強い中毒性があり、いつのまにかそのとりこになってしまう。 純化された「狂気」で満たされた彼の音楽には、 私がさっきから申し上げているような「美」が感じられる。 これが人々をとりこにさせる原因なのだろう。 そんな私も彼の毒にやられた患者の一人だ。 ところで皆さんもそんな音楽を聞いてみませんか。 彼の代表作「Come To Daddy」を秘密の小部屋にあげておいたので、 興味がある方はどうぞ。 (クレームは受け付けませんので、あしからず) それでは、また明日にでもお会いしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年07月09日 00時26分26秒
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