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草なぎ主演「日本沈没」
７３年公開大ヒット作３２年ぶりリメーク

　１９７３年に公開され６５０万人を動員した大ヒット映画「日本沈没」（監督・森谷司郎）が、ＳＭＡＰ草ナギ剛（３０）主演で３２年ぶりにリメークされることが４日、分かった。大地震により日本が壊滅状態に陥るという小松左京氏のベストセラー小説が原作。邦画では破格の製作費２０億円を投じ、極限状況での壮大な人間ドラマを描く。潜水艦映画「ローレライ」の樋口真嗣監督がメガホンを執り、ヒロインを柴咲コウ（２３）が演じる。東宝系で来夏公開予定。

　列島を次々と襲うマグニチュード８以上の地震。日本沈没は避けられないと判断した政府は、国民１億２０００万人の海外脱出を実行に移す―。

　７３年３月に出版され、累計４００万部（上下巻）を売り上げた小松左京氏の衝撃の物語が、演技派・草ナギの主演でよみがえることになった。

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　現実社会でも世界各地で相次ぐ自然災害。そんな状況下でのリメークだが、単なるパニック映画とは違い、前作以上に深い人間ドラマに仕立てることが製作者側の狙い。原作者の小松左京氏は「人々が『生きる』ということを自身に問い直すきっかけになることと期待する」と語り、製作サイドも「困難に立ち向かって行く日本人の強さを描きたい」と話す。

　主人公の潜水艇パイロット役に草ナギを据えたのもそのため。０３年の初主演映画「黄泉がえり」（監督・塩田明彦）やドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」などで人間味あふれた好演を見せた。今回のリメークにあたり、小松左京氏が「草ナギ君にやってもらいたかった」と“指名”。草ナギは「以前から知っていた偉大な日本映画に参加できて光栄。前作以上のインパクトを与えられるように頑張ります」と意気込んでいる。

　「日本沈没」は当時、東宝史上最高の製作費５億円が投じられた超大作。これまで各映画会社がリメークしようと試みたが、東京大地震、富士山噴火などを再現するには高度なＣＧ技術とばく大な予算が必要とされ、実現には至らなかった。今回の製作費は、樋口監督の長編デビュー作で、潜水艦を巡る人間ドラマを迫力ある映像で描いた「ローレライ」（１２億円）のほぼ２倍。くしくも、樋口監督にとって「日本沈没」は映画の世界に進む決意をした一本。「実際に災害に遭った人たちも頑張ろうと思える作品にしたい」と思い入れは強い。

　レスキュー隊員役の柴咲は「やるべき準備がたくさんあり、集中力を要する作品」とやる気をみなぎらせている。脚本は成島出氏と加藤正人氏が手掛ける。８月下旬にクランクイン予定。