今後の資産運用は「守りのスタンス」で
書評/「日本破綻 その日に備える資産防衛術」4.5点/5点日本破綻「その日」に備える資産防衛術前作「日本破綻 株・債券・円のトリプル安が襲う」に続き2010年8月30日第1刷発行。前作のレビューでも触れましたが政府による大量の赤字財政はいずれ市場に見捨てられ「市場の反乱」が起こる。市場の反乱とは前作のタイトルにあるように日本株・日本の国債・円のトリプル安。このトリプル安は「円安(しかもかなり過激な)」を含むので輸出が伸びることにより日本経済は立ち直る。しかし立ち直るまではハイパーインフレを伴うので多くの国民はのたうちまわることになります。(この過程はアジア通貨危機後の韓国と同じ道であると藤巻氏は指摘しています)ちなみにこの「市場の反乱」はいつ起こるか分からないそうです。「起きるのは明日かもしれないし、5年後かもしれない。しかし時期は分からなくても、かなりの確率で必ず起こると信じている」(p4)との事です。ここ数年の資産運用の在り方として藤巻氏は次のように述べています。この数年間の資産運用の根本は「守りのスタンス」に徹するに徹するべきだということです。この「混乱の時代」の後には「日本経済大躍進の時代」がまた来る可能性が大いにあります。その時にこそ資産を大きくすることを考えれば良いのです。(p112)と言うことでどういう風に「守りのスタンス」をすればよいのかを後半で述べて行く事になります。実は前半は前著程の量ではないですが前著の内容をまた説明しています。ただこれは前著未読の方もこの本を手に取っているケースもあるでしょうから仕方がないですけど。この守りのスタンスは「保険」のようなものだと言います。だから結果的に損をするかもしれないけどメチャクチャな目に合わないようにするための「保険」であると。ちなみに前著では「金持ちでも、国債や銀行預金のみで財産を保有していた人は、実質的に財産を失います。金持ちから貧者へ真っ逆さまです。(p143)」とありますので自分が当てはまる方はご注意を。しかし気が早い私としては「混乱の時代の後に儲ける方法も知りたい」所なのですが、それは書いてありません。その時の状況にならなければ分からないのか実は第3段を考えているのかは謎ですが。(「その位は自分で考えろ!バカ!!」と言うことなのかもしれませんが)藤巻氏の分析が当たっているのかどうかは分かりません。しかし私はなぜこんなに「円高」で日本の国債が買われまくっているのかが理解できません。私の頭が足りないからかもしれませんが、この国の通貨・債券に価値があるようにどうしても感じられない。異様に見えてしまいます。 となるとせめてドル建てのMMF位は始めた方が良いのかと考え込んでしまう。。。せっかく円高なのだから。楽天証券でもやっているみたいだし。<参考>藤巻氏は「市場の反乱」は「国債の未達」から始まると予測しています。要するに国債を完売できなかった時。未達の予兆があるかどうか分からないけど、あるとすれば3つの点に注意するべきと藤巻氏は言います。1.応募倍率(応募倍率が低ければ危ないが、高いからと言って安心はできない)2.平均価格と最安値の差(平均価格よりもかなり低い価格でも札が入ってしまったら要注意)3.入札後のマーケットの動き(入札後の相場が急落)私は細かいことをチェックするのが苦手なのでもし皆さんが是非気づいたら教えてください(笑