物事の「正」「誤」は人間関係に基づいて決定されてしまう危険性
レビュー/DVD「ニュースの天才」4点/5点中古DVD▼ニュースの天才▽レンタル用カルバークリークアメリカの一流政治雑誌にて実際起きた記事ねつ造スキャンダルが元になっています。ある同僚の間で人気のある若い記者の書いた記事が「事実と違う」という疑惑が起こります。最初は単なるミステイクということで周りもかばいますが、内部調査を行っていくうちにどうも記事自体が捏造ではないかという証拠が次々出てきます。熱心に調査する新編集長は職場では不人気。逆に疑惑の持たれた若い記者は人気者。若い記者は最後の最後まで編集長にも同僚にもねつ造を否定し続けます。つまり保身のために平気でうそをつき続けている訳です。その演技力には身震いしてしまいます。世の中にはきっと平気でうそをつく事ができる人がいるようです。(私は嘘をつくとすぐに顔に出てしまいます。正直というか小心者なのでしょう)かなり怖い。そして同僚は客観的に見れば若い記者の方が間違っているのでギリギリの所まで記事を捏造した若い記者をかばおうとします。対応を誤れば雑誌自体を廃刊に追い込みかねない状況の中、徹底的な調査を行おうとする編集長に反発。人間にとって「正しい」「間違っている」の判断は客観的になされるのではなく、自分との人間関係に基づいてなされる危険性をはらんでいることを認識させられます。いくら正しい事をしていても嫌いな奴がすることは悪であり、いくら間違っていても好きな人がやっていることはその間違っていること自体がなかったことにされてしまう。平気で同僚に嘘をつきまくりながら、その同僚との良好な人間関係によって最悪の事態を乗り切ろうとする若者の姿はかなり不気味であります。