自分の資産を守るには勉強しかありません
書評/藤巻健史の「金融情報」はこう読め! 大転換時代にお金を守り、増やす方法4点/5点【送料無料】藤巻健史の「金融情報」はこう読め!経済の大きな流れを掴むために重要なことは「上質の情報を使って、自分なりの経済予測力を養う」ことに尽きる(p2)そうです。この本の前半では長々と世の中の常識に関する誤解について述べています。なぜならばみんなが「常識」だと思っている事が実は大きな「誤解」で、その「誤解」がマーケットを動かすことがあるからです。私はマーケットには多くの誤解があり、その「誤解」でマーケットがゆがんだ時こそ逆張りのチャンスだと思っている(p3)とのことです。p169には「株から資金がシフトしたせいで商品バブルが起きた」と言う記述があります。「株式市場から原油の方に投機マネーが動いたせいで石油市場がバブルになった」「株から資金からシフトしたせいで商品バブルが起きた。原油が高騰した」なんて言う記事が新聞をにぎわせていました。藤巻氏に言わせればそれは違う。株が下がったのは多くの人が景気が悪くなると予想したから。ヘッジファンドも当然株を売る。景気が悪くなるのなら商品価格も下がる。だったらヘッジファンドも株を売ったら原油も売る。資金が移ったとしても原油は買うのではなく「売る」はず。ですから、新聞が「株から資金が移ったので原油先物価格が上昇している」と書いた時など、典型的な逆張りのチャンスです。原油先物をショートすることで間違いなく大儲けできます。(中略)その意味でも「先物」とは何ぞやを理解することは重要なのです。(p171)全体的に見れば「誤解しているということを見逃さないことは、やはり財産を守る1つの手段」(p186)と言う事でしょう。この本の後半では「その誤解を利用してどうすればいいか」について書いています。藤巻氏は「株価上昇・ドル上昇・金利上昇」を予測しているそうですが、この本では特に「長期金利が上昇する時にわれわれは何をすべきか」を書いているそうです。具体的方法についてはこの本を読んで頂きたいのですが大きな視点として藤巻氏は長期投資を勧めています。個別情報で儲けるのは難しいとの認識。一番重要なのは「経済がどうなるのかの分析」であってそれを理解するには「自分の分析力」と「経済に関する質のよい情報」が必要。情報については「情報の質を見極める」のが大事。「上質の情報を使って、自分なりに経済の予測をする」事が長期投資の最重要点。また情報の1つである「商品知識を深める」事が大事。結論を言えば「質の高い情報を使って経済予測力を養う」「商品知識を深める」この2つが長期投資で勝つための2大原則なのだそうです。(p54)身も蓋も無いけどこの一文に尽きるのでしょう。自分の資産を守るには勉強しかありません。(p4)勝間和代氏風に言えば「タダ飯はない」と言う事でしょうか。最後に1つだけ気になる部分を抜粋して終了します。どこの国に投資するかよりも、どの資産カテゴリーに投資するかの意思決定のほうがより重要だと言う事です。(p136)