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変な人ばかりをウォッチングしたのでデイにはおかしい人ばかりと思われるかも知れませんが決してそうではありません 桜の咲く時期になると 送迎しながら川土手の満開の桜を見て 必ず亡くなった奥さんのことを話してくれるのが男性利用者のHさん 癌の闘病を支えながら奥さんと見た桜 川に架かる橋を渡りながら今年が最後かと覚悟して渡った時のことなど話してくれるのでした 仕事で留守がちな けっこういい年の息子さんと一緒に暮らしていましたが、marukoはまだ新前だったので家族構成とかに気を配るところまでいってなくてだいぶ後になるまでHさんは一人暮らしなんだと思い込んでいました 「離れた土地にもう一人 所帯持ちの息子がいるけど デイと縁が切れるから行きたくない」が口癖で marukoがデイに入って間もなく 一番に名前を覚えてくれた人でもあります アクティブの内容に四苦八苦するmarukoに「marukoさんはよく勉強してるね」といつも励ましてくれるのです 他者に対する励ましの言葉は、女性の利用者さんにはほとんど見られない事で「人を励ますこと」は どんなに年を取って 自分のことで精一杯になっても これだけは無くしたくないとmarukoが肝に銘じていることです ところで 送迎時には利用者さんそれぞれに確認しなければいけない注意事項があってHさんの場合は ・・アルコール臭を確認すること・・でした ある日朝迎えに行くと 寝坊をしたといってHさんは まだ準備ができていませんでした 「家にあがってちょっと待って」と言われ狭い6畳の部屋にあがりました アルコール臭もしました 最小限の家財道具にたたんだ布団 本棚があって二人の女性の写真が飾ってありました 若くして事故で亡くなった娘さんと 癌でなくなった奥さんです 二人ともとても美人です 奥さんも娘さんも相当の酒豪だったようで 二人を思い出し ついつい一人の夜 お酒がたくさん入るのも頷ける気がしました かといってmarukoたちに「死にたい」とか甘えた言葉は決して言いません 待たされても 他の利用者が我侭を言っても笑っていて不服など訴えたりしません 少々耳が聞こえにくくなって お腹の調子が悪かったり 体力がだんだんなくなったと淡々としていました 体調を崩して入院したと聞いたのは今年のはじめ そして Hさんと一緒に桜を見ることはできませんでした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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