先だって、弥生美術館で「こどもパラダイス★~1920-30's 絵雑誌に見るモダン・キッズらいふ~」を見てきました。有名なレトロ童画家の作品をいろいろ見ることができ、楽しかったです。子供の頃に読んでいた「世界の童話」シリーズにも、今回紹介されていた方々が挿絵を描かれているものがあり、しまいこんであった本を何冊か取り出して、読み返してみました。それぞれに個性的な画家の中でも、とくに未だに印象に残っていたのは初山滋です。子供向けとは思えない尖鋭的なデザインと色づかいなところが、子供を一人の人間として扱ってくれる大人のようで、子供心に、大人の世界を垣間見たような気がしたものです。写真は、その初山滋のグリム童話『四つの願い』の挿絵の一枚です。しんとした森の中でくりひろげられる二人の職人の間の不気味なやりとりと不安げな心理が、不可思議な形象のモノたちで表現されていますね。
弥生美術館