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今月17日土曜日に、葛飾区立中央図書館が、オープンしました。

新機能として、プライバシー保護の向上と効率的な資料管理を図るためにICタグシステムを取り入れています。今や図書館には不可欠であるIT環境が充実しています。利用者の形態にあったニーズに対応できるようになっています。

児童サービスとしては、小さな子ども連れで利用できるような様々な設備があり、調べ学習に最適な安心して利用できる児童用パソコンが設置されています。また、おはなし会等のイベントも充実しています。

ハンディキャップサービスとしては、ユニバーサルデザインが活用され、音声案内・館内誘導、読書支援機器、多目的トイレ等環境が整備され、ハンディキャップサービス資料としては、デイジー資料・音訳カセットテープ、点字図書・点字新聞、布絵本・点訳絵本、大活字本等が準備されています。また、ハンディキャップサービスに関する講座事業も開催されています。

ビジネス支援サービスとしては、関連資料が取り揃えられ、ビジネス相談・セミナーが開催され、無料で使えるオンラインデータベースのビジネスITコーナーがあります。

実際に新しくオープンした図書館に行ってみて、現代の図書館におけるメディアコレクションが、紙媒体だけではないこと、電子メディアが不可欠であることを実感しました。正しく、この夏勉強した、司書教諭資格の講義での内容の実地体験となりました。

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さて、中央図書館オープニングイベントとして、多彩なゲストをお招きしての講演会が開かれています。私も、ぜひ、行ってみようと思いまして、芥川賞作家の伊藤たかみさんの講演会に参加してきました。

伊藤たかみさんは、ナチュラルに飾らずに、ご自分のことや作品のことを語ってくださり、参加者のみなさんの気軽な質問から深い質問にまで、真摯に答えてくださいました。今読んでいる本は、電車などで読む外読み本は高村薫さんの文庫本だそうです。ちなみに、中央図書館のある町は『マークスの山』にもちょこっと登場します。（密かにマークスストリートと呼ばれている場所があります）

YA文学作品も書かれていらっしゃるということで、中学生・高校生へのおすすめの本もご紹介してくださいました。（　）内は伊藤たかみさんのおすすめの理由です。

『晩年』太宰治（いろんなスタイルの太宰治を発見できる）、『吾輩は猫である』夏目漱石（漱石の頭の中を見ているようで、とくに後半がおもしろい）、『路傍の石』山本有三（伊藤さんご自身が、がんばる話が好きなのだそうです。十代の頃に、まっすぐなストーリーに触れてほしいそうです）、『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャー（小説の可能性を感じた作品。最初の頃は、サリンジャーの文体を意識していたこともあるそうです）、『風と共に去りぬ』M・ミッチェル（文庫本で５冊と長いが、若い頃は、肌に合っても合わなくても、とにかく長い小説も読んでみよう）、『ホテル・ニューハンプシャー』J・アーヴィング（アメリカの文学・映画のすぐれた手法の一つとして、コミカルなものの連続が、最後に、さみしくむなしくなるものを浮かび上がらせるという手法がある。それを体現している作品なので、その手法も含めて味わってほしい）

伊藤たかみさんは、大学時代、映画を撮ることを目指していたそうで、そこにからめて、映像作品と活字作品・小説の違い、小説が映像作品に勝つには「思考のジャンプ」「言葉をおもしろくする」が必要だとお話されました。私も、一瞬ですが、学生時代に映画サークルに入って一度だけ新入生の課題でカメラをまわしました。が、手ぶれがひどくて、これは向いてないとあきらめました。伊藤たかみさんも、同じような状況で撮るのをやめて、書く方に移られたとのことで、僭越ながら親近感がわきました。

現在気になっているテーマは「父と子」の関係だそうです。

今回の講演会は、プロの小説家のお話を、「直に」うかがうことの面白さを堪能させていただきました。

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写真の説明：左から......

１．中央図書館オープン記念のしおりです。葛飾にちなんだ伝統工芸の模様がもとになっているそうです。

２．オープン初日に借りた本です。司書教諭科目の「読書と豊かな人間性」で先生に教えていただいて興味を持った「アニマシオン」関連の本や、中央図書館の「秋読」おすすめコーナーから中南米小説等を借りました。

３．伊藤たかみさんにサインをしていただきました。YA作品の『ミカ！』の舞台になっている場所は、ちょっとなつかしい場所だったので、追体験しながら読みました。

４．先日の自由が丘でのワークショップに、この夏いっしょに図書館の勉強をした知人がお友だちと参加してくださいました。

５．ワークショップの後、ワッフルを食べに行きました。甘くて、ボリュームがあって、楽しいティータイムでした。

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