aroma accessory mikoma

今年の秋は、歴史文化に触れる秋！と思いまして、「国民文化祭」が開催されている、私の郷里静岡県の史跡を訪ねてきました。

江川太郎左衛門は、さかのぼること約1000年という由緒ある家柄に生まれ、幕末に活躍しました。黒船に対抗すべく、静岡県の韮山の代官として、お台場の設計、反射炉の建設、 後には外国船の建造にも携わっています。また、薬学にも通じており、庭には、薬となる樹木がそここに植えられていました。絵筆を握らせれば、自画像もお手の物で、正しくその多様な活躍知識人ぶりは、幕末のダ・ヴィンチさながらです。

中でも異色なのは、パン祖としての存在です。兵糧として、パンを日本で初めて焼いたのが、彼だそうです。そのパンは、乾パンのようなもので、とても固くて、そのままでは食べられません。お湯でふやかして食べたようです。お土産として購入しましたが、歯が折れそうで、食べ方を研究中です。地元では、高校生が独創的なパン作りを競い合う、パンの甲子園！パン祖のパン祭りも行われています。

江川太郎左衛門に関しては、詳しくは、重要文化財江川邸のホームページでご覧くださいませ。

では、彼がパン祖と言われる由来を、パン祖のパンの包装紙の文章より紹介します。

「パン祖の由来」

パンは、十六世紀にポルトガル人によって初めて日本（種子島）へ伝来してその後切支丹禁教令によって製造は禁止されました。十九世紀頃のアジアはアヘン戦争が起こり、日本も危機感を持ち始めました。

その頃、江川太郎左衛門英龍（坦庵）は、ヨーロッパ式陸軍を研究しており、ヨーロッパ陸軍の兵糧パンを採用し作らねばならないと考えました。その最初の試験焼きが、天保十三年（一八四二年）四月十二日で、この韮山製のパンは保存食・非常食としても重宝で近代兵法を学ぶ韮山塾の門人を通じ全国的に広まりここに江川坦庵が「パン祖」と呼ばれる由来があります。

郷里の近くの三島市佐野美術館にて、「和歌（やまとうた）の彩り　かな文字と装飾料紙の美」を鑑賞し、旧交も温めてまいりました。

写真上左から：「パン祖のパン。グリッシーニ型のカノンパン（カノン砲にちなむ）もあります」「とても固いので、味噌シチューに浸して食べてみました」「パン焼き釜」「パン祖の碑。徳富蘇峰筆」

写真中左から：「江川邸内部。ドラマ『JIN -仁-』のロケで使用。11月15日放映予定とのこと」「江川邸内部。同じくロケで使用」「薬箪笥」「お台場（現在フジレテビのある場所は第六台場とのこと）の元になった木製模型と図案」

写真下左から：「韮山反射炉」「江川太郎左衛門像」「明治時代以前の江川家の家紋。重陽の節供に、邸内の井戸水で作った酒を幕府に献上したところ、たいへん喜ばれ、井桁に菊の家紋を賜ったとのこと」「戦国時代の鏃の跡の残る門。秀吉の北条氏攻めの時のものとのこと。秀吉に随伴した千利休の竹の花入れに関するものも展示されています」

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