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2006年07月04日
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以前、私の芝居に出てくれた某大学演劇科の女優さんが、アジア系映画祭の映画脚本部門で賞を取ったというニュースが入って来た。彼女は多人種複合(日本、ブラック、中国、ハワイその他)で22歳、見た目は15歳くらいに見える小柄童顔細身。少女役をやってもほとんど違和感がなかった。映画の脚本家志望ということで、9月から大学院に進む予定だったと思う。
彼女は外観も幼いが、中身も幼いというか、本人の売り込みでプロダクションアシスタントとして雇ったわりに、あまり仕事をしてくれなかったり、肝心の本番に他の仕事がきまってしまい、こちらの許可なく勝手に自分の友人に出演依頼をしたり、ある意味、トラブルメーカーなところがあった。アジア系というより、昔、ルームメイトで悩まされた「地方出身の白人アメリカ人の女の子」的な、周囲にスポイルされたお姫様タイプに近く感じた。一般に年長者には従順で自分を抑える傾向の強いアジア系アメリカ人の女性としてはめずらしく、自己主張が強く、その意味で、アジア系も三世、四世となり複数の血が混じると、外見がアジア系に見えても中身は完全にアメリカ人になる、という良い見本だったと思う。
ただ、その「地方出身の白人アメリカ人の女の子」的性格が、特攻的な売り込みが必要でタフさを要求される、ハリウッドとか映画界では上手く働くのではないかと思う。有名な脚本家になって欲しい。

アジア系国際映画祭のサイトを見ると、彼女の作品のステージリーディングに、先日から縁のあった某アジア系アメリカ人劇団が関わっている事が分かった。なんと狭い世界だろう。とにかくアジア系アメリカ人というプールが狭く、ほとんど「近親相姦的身内世界」という雰囲気。狭い中、少数のよく知っている人々が伍している世界だけに、どこに行っても「知り合いだらけ」という印象だ。
映像作品のラインアップを見ても、短編部門にどっかで見たような名前が並んでいる。そのうちの一人の監督は、アジア系映画祭の常連さんで、ほとんど「アジア系アメリカ人映画祭」で見ないことが珍しいくらいだ。彼自身はハーフでほとんど白人ぽくアジア系の顔をしていないので、なぜ「アジア系」にこだわって、アジア系役者ばかり出演する作品を作るのか、いつも不思議だった。白人の役者を使った方がずっとマーケットが広がると思うし。その彼がインタビューでそう聞かれて答えているのを読むと、地方出身でアジア系のミックスというのはやはり珍しく、ずっと自分を特殊な存在だと感じて育ったこと、アジア系アメリカ人の芸能界での居場所があまりにも少ないので、その状況を改善することに意欲を感じていること、アジア系アメリカ人の団体との強いコネクションなどつながりができており、スポークスパーソン的な立場にあり、見捨てることは不本意であること、、、などが語られていた。
この人はかなり才能がある人だと思うのだが、「アジア系アメリカ人」の作品にこだわっていたら一生インディペンデント映画で終わり、メインストリーム作品の演出などできないのではないか、と少し心配になる。ただ。彼の場合は、家族の援助の他、収入源があるらしく、無理にメインストリームに乗る事にはこだわっていない、むしろ、アジア系アメリカ人としてのプライドをかけた自分の作品を撮ることにこだわっているようだ。作家意識の強い人なので、ハリウッド娯楽作品の雇われ監督など無理なのかもしれない。「アジア系アメリカ人によるアジア系アメリカ人をテーマにした作品」というマイノリティへのこだわりは、やはり数代に渡ってこの国で生き、見えない差別を経験した人々たちにしか分からない世界なのだと思う。
一方、台湾から留学生としてアメリカに来たアン・リー監督、インド人のナイト監督などの方が、アジア系アメリカ人監督よりも、ずっとマーケットが広く、道が開けているのも事実だ。母国がある分、アメリカ以外で作品を作ることもでき、市場もあり、「アジア系アメリカ人」より環境としては遥に恵まれているのかもしれない。
「アジア系アメリカ人」の作る「アジア系アメリカ人」がテーマの作品が、中国や日本、韓国のアジア映画と伍するくらいにスケールがあって良質で面白いなら、いくらでも製作の機会は増えて行くと思うのだが。でも、メインストリームの観客を呼べるかどうかというと、かなり難しいものがありそうだ。そういえば、私自身、映画祭というのは参加したことはあるが、アジア系アメリカ人限定の映画祭にはほとんど行ったことがない。





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最終更新日  2006年07月06日 14時08分15秒



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