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2006年10月07日
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やっと終わった、、、。何がというと、また自作の芝居を公演、演出していたのだ。8月最初から2週に渡るオーディションで役者を選び、稽古に入ったのが同月26日。役者については、今回恵まれていたと思う。一人についてはもう、オーディションで見た時から、「この人しかいない」という確信めいたものがあった。
この芝居は2人の日本人女性のニューヨークでの20年ぶりの再会について描いたもので、舞台は地下鉄の中。二人の会話で2時間もたせるという大胆な構成で、「地下鉄の乗客」というエキストラが6人、台詞なしで登場する。
日本人の役は残念ながら日本人役者は使わなかった。オーディションには数人来てもらったが、英語のかなりできる人でも全く訛りがないわけでなく、メインキャスト2人のうち、一人が訛りあり、一人が訛りなし、という組み合わせが不可能だったので、2人とも訛りなしのアジア系アメリカ人役者を使う事になり、一人はフィリピン系、一人は台湾系米国人だった。
この2人と私、3人でひと月に渡ってリハーサルをし、最後の一週間にエキストラの人や裏方の照明やセットの人と最後の稽古をした。今回は裏方の人にも恵まれていて、この照明係の人がセットの組み立てから、ビデオプロジェクターのレンタルまで一手に引き受けてくれた。彼がいなかったら、ビデオプロジェクターを使用してフラッシュで各駅ごとの地下鉄内部の投影をするなど、想像することもできなかっただろう。おかげでずいぶん緊迫感のあるセットが構築できた。
役者二人の打ち込み方も大変なもので、私は台本片手のステージリーディングを予定していたのだが、100ページもある台本を二人とも覚えるといって聞かず、それでも最後まで完璧にはむりだったが、ほぼ覚えることができた。
問題はお客さんが少なかったこと。
日系の新聞やサイトには載ったようだが、なかなか来てくれない。全4回公演、トータル50人弱の観客は90%、役者の知人、友人ばかりだった。まったく見知らぬ人が新聞やサイトを見て見に来るというのは、やはり無名の作家の自主公演では無理だったのかもしれない。しかも、この夏最後の連休で天気も良く、市外に出る人も多かったようだ。
前回よりは役者に恵まれていたし、スタッフのサポートも多かっただけに、お客さんが来ないというのが一番辛かった。
内容的には、やはり「移民女性の20年間」を語っただけに、共感、身にしみるという女性客が多かった。一人の役者を褒める人が多かったが、私は彼女と最後の最後まで全身で戦って来たくらい演出が難しかった。彼女は「日本人移民」という役だけに訛りのきつい感傷的な中年女性を演じたがっていたが、私は彼女のアーティキュレーションの優れたニューヨーク英語のイントネーションをそのまま使って、アグレッシブな女性を演じて欲しかった。現実なら、二人の日本人が再会したら、訛りなしの日本語で会話するのが当然だ。それを英語で置き換える以上、スムースな英語が日本語の代かえになるのではないかと思う。しかも、もう一人の役者は全く訛りがない英語を話しているのだ。
それが、どちらかというと自己顕示欲の非常に強い「お姫様」体質の彼女は、一人でどこかで日本人の訛りを研究してきて、ほとんど「にゃあにゃあ」としか聞こえないよいな台詞まわしで感傷的に日本人を演じたがっていた。何度も何度も話し合いをして、やっと分かってくれたかと思ったら、突然本番の舞台でまた訛りを演じ始め、その後、かなり私も頭にきて楽屋前で怒鳴りつけてしまった。
自分は上手くやっていると思い込んでいた彼女にとって私の怒り加減は意外だったようで、さすがにその後の舞台は訛りは引っ込めてくれた。本当に疲れた。
こういう役者を上手く使えるような演出家は凄いと思う。つくづく私が男だったら無条件で楽ができるのではないかと思う。女性が女性を演出、しかも当方はプロデューサー兼作家ながら外国人で演出の経験も少ない。従順な日本人にはないアメリカ人気質の女性を相手に孤軍奮闘していたように思う。
今回、ニューヨークのダウンタウンで演劇活動している25歳の金髪美形の白人男性がアシスタントで働いてくれたが、彼が補佐で登場するたびに稽古場の雰囲気がときめくというか、瞬時に変わるのも驚きだった。女優というのはやはり男性に演出されるのが良いのだろうか。まあ、いろいろな意味で性差というものを考えさせられた公演だった。
来週から写真の個展が始まる。自分は芝居を作るような共同作業より、圧倒的に一人で暗室に籠って製作するような世界が合っている人だと思う。人を操作するのは本当に難しい。





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最終更新日  2006年10月07日 15時22分49秒



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