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「東京での一週間(6)」
東京はその広さから「山手線の29の各駅にタイムズスクエアがある」と、NYの友達とジョークのように言ったものだが、それどころか、中央線の各駅にも複数のターミナルデパートや商店街がある。東京というのは、どこにでも歩いていけるマンハッタンに比べたら気が遠くなるほどにメトロポリタンエリアが広い。それに伴う星の数のようなショッピングやアミューズメントの選択肢の広さは凄いと思った。まさに「東京にはないものはない。探せば必ずどこかにある」という感じだった(ソフトの揃った低価格のネットカフェはなかったが)。また、他者を尊重しているせいか、あるいは他人に無関心なせいか、互いに牽制しあっているせいか、誰にも煩わされず、完全に匿名、アノニマス(anonymous)になれる。街が広いだけに、知った人に会うことを心配することなしに電車や地下鉄で歩き回り、膨大なセレクションの店や医療機関を自由自在にホッピングして行動できる。店の人も最大限の丁寧さで応対してくれるので買い物しやすい。これはマンハッタンの狭い一角に15年も住み、買い物やヘアサロン、遊ぶ場所がルーチン化している私にしてみると、非常にうらやましいことだった。 そして昔からそうだが、20代の若い人が良く頑張っている。レストランやホテル、ネットカフェで働いている人々も圧倒的に10代後半-30代そこそこのようだった。そして若いのに丁寧な応対でよく訓練されていた。一番感じたのは、日本の客商売をする人々は私情・気分を顔に出さず、プロの仮面をかぶっていること。これは客の立場からは、かなり嬉しい体験だった。それだけささいな仕事でも得るのに大変な競争があり、日本のお客さんは「神様」扱いされて細かい人が多いし、客扱いのプロになるよう順応することが要求されるのだろう。 話は違うが、「日本は女性がきれい」だとアメリカ人からも日本人からもよく言われてきた。今回見たところ、アメリカ人に比較したら、服装や流行に気をつかっている人は多いと思った。必ずしも欧米的にスタイル抜群でなくても、流行を追ってきれいに装った人、きれいにグルーミングしている清潔な女性はそこら中にいた。でも、それほど外見にかまっていない人も結構いた(顔全体を覆っている犯罪者のような立体マスクをした人が多いのに最初は仰天)。また、日本人男性の方がきれいに、よりフェミニンになっているのに驚いた。アメリカ人の女性に言わせると、日本の若い男はゲイのように華奢で女性的だという。確かに、ジャニーズ事務所の少年隊のようなタイプが80年代にも少し増えていたが、またいっそう増加しているようだった。カラーリングというか、金髪茶髪の人も多い。中年の会社員でも茶髪の人がいた。サラリーマンもずいぶん変わったようだ。若い人はみな、ツマ先から指先、眉毛、頭のてっぺんまで時間をかけてグルーミングしているように見えた。昔の少女漫画にでてくるような細身のハンサムキャラのような若い男性が多い。60-70年代の漫画で見たような汗臭いバンカラ男はもういないのだろうか。女性にしても、キッチュで可愛いドレス姿の、アニメやゲーム、漫画から抜け出たような人がいた。パンツが見えそうなぎりぎりミニスカートのギャル高校生も見た。あれでは駅のエスカレータや階段で覗かれることもあるだろうと思った。覚悟の上なんだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月29日 05時48分29秒
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